JR四国の往復きっぷ完全ガイド｜2025年最新版の料金と買い方

2025年7月7日

JR四国の往復きっぷを利用検討中のあなたへ。四国旅行の計画を立てる際、どのきっぷを選べば一番お得になるのか、迷うことはありませんか。この記事では、失敗や後悔のない旅行を実現するために、JR四国の往復きっぷに関するあらゆる情報を網羅的に解説します。

往復きっぷの料金一覧や購入方法といった基本情報はもちろん、意外と知られていない利用条件や、往復きっぷで行ける主要区間についても詳しくご紹介。さらに、通常きっぷとの違いを明確にし、お得な割引と特典を最大限に活用する方法を明らかにします。急な予定変更に備えた払い戻し・変更方法や、子ども・シニア向けの割引の有無についても触れるので、安心して旅行の準備を進められます。

また、JR四国のおすすめ旅行プランを参考にしながら、JR四国の他のお得なきっぷ情報とも比較することで、あなたの旅に本当に最適な一枚を見つけるお手伝いをします。（※記事の内容は2025年7月現在となります）

記事のポイント

様々な往復きっぷの種類ごとの料金、購入方法、利用ルール
従来の往復割引より安くなるデジタルきっぷやオンライン限定商品の活用法
複数の都市を巡る周遊旅行に最適なフリーきっぷの賢い選び方
きっぷの予約変更や払い戻しで損をしないための具体的な注意点

JR四国の往復きっぷの基本情報まとめ

往復きっぷの料金一覧をチェック
往復きっぷで行ける主要区間を紹介
往復きっぷの購入方法と手順
事前に確認しておきたい利用条件
通常きっぷとの違いはどこにある？
知って得するお得な割引と特典

往復きっぷの料金一覧をチェック

画像出典：JR四国ツアー

JR四国が提供する往復タイプのきっぷには、主に「指定席Sきっぷ」とオンライン限定の「e5489専用指定席往復トク割きっぷ」の2種類が存在します。これらは、旅の目的地や購入方法によって選択肢が異なります。

まず、「指定席Sきっぷ」は、四国内の比較的短い距離の移動に設定されていることが多いです。これは従来の自由席タイプから指定席利用へと進化した商品で、着席が保証される安心感が魅力となっています。

一方、「e5489専用指定席往復トク割きっぷ」は、高松～松山間や高松～高知間といった主要な長距離幹線に特化して設定された、非常に割引率の高い商品です。ただし、購入はオンラインに限定されます。

以下に、代表的なきっぷの料金を示します。（2025年7月現在）

きっぷの種類	区間	往復運賃（大人）	片道あたり換算
指定席Sきっぷ	高松 ⇔ 徳島	5,800円	2,900円
	松山 ⇔ 宇和島	6,520円	3,260円
	高知 ⇔ 窪川	5,800円	2,900円
e5489専用きっぷ	高松 ⇔ 松山	8,400円	4,200円
e5489専用きっぷ	高松 ⇔ 高知	7,000円	3,500円

これらの料金は、通常の乗車券と特急券を別々に購入する場合と比較して、大幅に安価に設定されています。自分の移動区間にどのきっぷが設定されているかを確認することが、お得な旅の第一歩となります。

往復きっぷで行ける主要区間を紹介

JR四国の往復きっぷが利用できる区間は、きっぷの種類によって異なります。どのきっぷが自分の旅程に合っているかを知るためには、それぞれの設定区間を把握しておくことが大切です。

指定席Sきっぷの対象区間

「指定席Sきっぷ」は、2024年4月に設定が大幅に拡充され、現在では19もの区間で利用可能です。これには、県庁所在地と県内の主要都市を結ぶルートが多く含まれています。

例えば、以下のような区間が設定されています。

高松 ⇔ 観音寺・川之江・伊予三島・徳島
松山 ⇔ 今治・八幡浜・宇和島
徳島 ⇔ 阿波池田
高知 ⇔ 須崎・窪川

このように、主に同一県内や県境を越えてすぐの隣県主要都市への移動をカバーしています。ただし、注意点として、四国で最も需要の多い区間の一つである高松～松山間には、この「指定席Sきっぷ」の直接の設定が存在しません。

e5489専用きっぷの対象区間

一方、オンライン限定の「e5489専用指定席往復トク割きっぷ」は、四国の二大幹線に特化しています。

高松 ⇔ 松山
高松 ⇔ 高知

これらの長距離区間を往復する場合には、このきっぷが最も割引率の高い「往復タイプ」のきっぷとなります。自分の目的地がこれらの区間に該当するかどうかをまず確認してみましょう。

往復きっぷの購入方法と手順

JR四国の往復きっぷは、その種類によって購入できる場所や方法が限定されています。購入プロセスでつまずかないよう、事前に正しい手順を理解しておきましょう。

駅の窓口や券売機での購入

「指定席Sきっぷ」や、後ほど紹介する「四国フリーきっぷ」などの紙媒体のきっぷは、JR四国の駅にある「みどりの窓口」や「みどりの券売機プラス」、指定席券売機で購入することができます。対面で相談しながら購入したい場合や、現金で購入したい場合に便利な方法です。ただし、窓口の営業時間や混雑には注意が必要です。

オンラインでの予約・購入

割引率が非常に高い「e5489専用指定席往復トク割きっぷ」は、その名の通り、JR西日本のネット予約サイト「e5489」でのみ予約・購入が可能です。駅の窓口や券売機では直接購入できないため、注意しなくてはなりません。

このきっぷを利用する際の最も重要な手順は、予約・決済後に、乗車前に必ず紙のきっぷを受け取ることです。受け取りは、「5489」の表示があるJR四国またはJR西日本の駅の指定席券売機やみどりの窓口で行います。この受け取りを忘れて乗車すると、別途正規運賃を請求されるため、利用者にとって最大の注意点と言えます。

このように、きっぷによって購入チャネルが明確に分かれているため、自分が利用したいきっぷがどこで手に入るのかを、計画段階でしっかりと確認しておくことが鍵となります。

事前に確認しておきたい利用条件

お得な往復きっぷを最大限に活用するためには、その利用条件を正しく理解しておくことが不可欠です。特に注意すべきいくつかのルールがあり、これらを知らないと思わぬ出費につながる可能性もあります。

まず、有効期間についてです。「指定席Sきっぷ」や「e5489専用きっぷ」の有効期間は、基本的に利用開始日から4日間となっています。この期間内に往復の行程を完了させる必要があります。

次に、指定した列車に乗り遅れた場合の扱いです。これは利用者にとって非常に重要な規定で、万が一予約した特急列車に乗り遅れてしまっても、きっぷ全体が無効になるわけではありません。乗車券部分は有効であり、乗り遅れた当日に限り、後続の特急列車の「自由席」に乗車することが認められています。ただし、もちろん確保していた指定席の権利は失われます。このルールがあることで、少しの遅れが旅行全体を台無しにすることを防いでくれます。

また、自己都合によるダウングレードに関するルールも存在します。例えば、指定席を予約していたにもかかわらず、自分の都合で自由席や普通列車を利用した場合、指定席料金と実際に利用した座席との差額は払い戻されません。きっぷはセット商品として割引価格が適用されているため、このような規定になっています。

これらの利用条件をあらかじめ把握しておくことで、予期せぬトラブルを避け、スムーズな旅行を楽しむことができるでしょう。

役立つ参考記事：特急南風の予約ガイド｜切符の買い方から割引戦略まで

通常きっぷとの違いはどこにある？

JRのきっぷには、片道ごとに購入する「通常きっぷ（乗車券＋特急券）」と、往復利用を前提とした「往復きっぷ（トクトクきっぷ）」がありますが、両者には明確な違いがあります。

要するに、往復きっぷは価格が安い代わりに、利用上の制約があるセット商品である、ということです。

その理由は、往復きっぷが乗車券と特急券などを組み合わせて、特別な割引価格を適用しているためです。個別に購入する手間が省ける一方、決められた区間や有効期間、列車の種類などに制限が設けられています。

例えば、高松駅から松山駅まで特急列車で往復する場合を考えてみましょう。通常きっぷであれば、乗車券と自由席特急券をそれぞれ往復分購入し、合計は12,320円となります。一方、「e5489専用指定席往復トク割きっぷ」を利用すると、価格は8,400円です。この差額約3,900円が、往復きっぷの大きなメリットです。

しかし、この割引の代わりとして、通常きっぷにはない制約が加わります。前述の通り、有効期間が4日間に限定されたり、払い戻しに通常より高い手数料がかかったりします。これらのことから、往復きっぷは、決められた旅程を確実に実行する場合には非常に強力な選択肢ですが、自由度の高い旅をしたい場合には、その制約がデメリットになる可能性もあると言えます。

知って得するお得な割引と特典

往復きっぷを選ぶ最大の動機は、その経済的なメリット、つまり割引率の高さにあります。この割引と、それに付随する特典を理解することで、旅のコストパフォーマンスを大きく向上させることが可能です。

最もお得感が大きいのは、やはり価格割引です。前述の通り、高松～松山間を往復する場合、「e5489専用きっぷ」を利用することで、通常運賃に比べて約32%もの割引が適用されます。これは、他の交通手段と比較しても競争力のある価格設定であり、鉄道を選ぶ大きな理由となり得ます。同様に、「指定席Sきっぷ」も、設定されている各区間で通常運賃よりもかなり割安な価格で移動することができます。

また、価格面だけでなく、「指定席の確保」という特典も大きな魅力です。JR四国の往復割引商品は、近年、自由席利用の「Sきっぷ」から指定席利用を標準とする商品へとシフトしています。これにより、利用者は混雑する時期や時間帯でも確実に着席できるという安心感を得られます。特に長距離を移動する場合や、荷物が多い旅行者にとって、座席が保証されていることの価値は計り知れません。

このように、往復きっぷは単純な交通費の節約だけでなく、快適な移動体験という付加価値も提供してくれます。これらの割引と特典を総合的に評価し、自分の旅行スタイルに合っているかを判断することが大切です。

JR四国の往復きっぷを賢く使う応用テク

ここでは、基本的な情報だけでなく、他のきっぷとの比較やイレギュラーな場合の対応など、より賢く往復きっぷを使いこなすための応用的な知識を紹介します。

払い戻し・変更方法の注意点
子ども・シニア向けの割引はある？
JR四国のおすすめ旅行プラン例
JR四国の他のお得なきっぷ情報も比較
まとめ：最適なJR四国の往復きっぷを選ぼう

払い戻し・変更方法の注意点

旅行の計画には予期せぬ変更がつきものです。そのため、購入したきっぷの払い戻しや変更に関するルールを事前に知っておくことは、リスク管理の観点から非常に大切です。特に割引率の高いきっぷは、制約も厳しい傾向にあります。

まず、きっぷの変更についてですが、「指定席Sきっぷ」や「e5489専用きっぷ」では、利用開始前であれば1回に限り、同じ種類のきっぷの他の列車への変更が可能な場合があります。ただし、きっぷの種類や購入場所によってルールが異なるため、個別の確認が求められます。

次に、払い戻しに関する注意点です。未使用で有効期間内に限り払い戻しが可能ですが、所定の手数料がかかります。ここで特に注意したいのが、「e5489専用指定席往復トク割きっぷ」の払戻手数料です。このきっぷの払戻手数料は900円と、他の一般的なきっぷ（例えば指定席特急券なら340円）に比べて高額に設定されています。大きな割引が受けられる反面、キャンセル時のリスクも大きいというデメリットがあることを理解しておく必要があります。

また、「e5489」で購入したきっぷは、きっぷの受け取り前後で変更や払い戻しのルール、手続き方法が大きく異なります。一般的に、受け取り後は駅の窓口での手続きが必要となり、オンライン上での手続きはできなくなります。

これらの理由から、割引率の高さだけで飛びつかず、自分の旅行計画の確実性を考慮してきっぷを選ぶ視点が求められます。

子ども・シニア向けの割引はある？

きっぷを選ぶ際、同行する家族構成によって割引の有無は気になるポイントです。特に子ども料金やシニア向けの割引について、JR四国の往復きっぷ（トクトクきっぷ）ではどのような扱いになっているのでしょうか。

まず、子ども料金についてです。JRのきっぷは、基本的に「おとな」と「こども」の区分があり、トクトクきっぷもこの原則に従います。「こども」は小学生が対象で、料金はおおむね「おとな」の半額に設定されています。幼児（1歳以上6歳未満）や乳児（1歳未満）は、条件を満たせば運賃・料金が無料になりますが、指定席を利用する場合などはこども料金が必要となるため注意が必要です。

一方、シニア向けの特別な割引制度については、残念ながら「指定席Sきっぷ」や「e5489専用きっぷ」などのトクトクきっぷには、基本的に設定がありません。

また、学生割引（学割）との併用についても多くの誤解が見られます。学割は、片道101km以上の区間の「乗車券」部分の運賃が2割引になる制度です。しかし、ほとんどのトクトクきっぷは、それ自体が乗車券と特急券などがセットになった割引商品であるため、学割との併用はできません。正規の乗車券と特急券を別々に購入する場合にのみ学割は適用されますが、その合計額がトクトクきっぷより安くなるケースは極めて稀です。

これらのことから、特急を利用した往復旅行においては、子ども料金以外の年齢を基準とした特別な割引を期待するのは難しい、というのが現状です。

JR四国のおすすめ旅行プラン例

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画像出典：JR四国ツアー

これまで解説してきた知識を基に、具体的な旅行プランに最適なきっぷが何かをシミュレーションしてみましょう。旅の目的によって、選ぶべききっぷは全く異なります。

ケース1：高松と松山をシンプルに往復する出張・観光

4日以内に高松と松山を往復する、という単純な旅程を考えます。

この場合、価格を最優先するなら、JR四国の公式アプリ「しこくスマートえきちゃん（スマえき）」で購入できる片道きっぷ「スマえきトク割きっぷ」を2枚購入する戦略が最強です。片道3,900円なので、往復で7,800円となります。これはチケットレスで乗車できる手軽さも魅力ですが、自由席利用が基本です。

一方、着席保証を重視するなら、「e5489専用指定席往復トク割きっぷ」が優れた選択肢です。価格は8,400円と少し上がりますが、指定席が確保でき、かつ通常運賃より大幅に安いというメリットがあります。ただし、駅での事前発券の手間がかかります。

ケース2：3日間で四国を周遊する観光旅行

徳島から入り、高知、中村を経由して松山へ抜け、最後に高松から帰る、といった複数の都市を巡る旅程を考えてみましょう。

このような場合、区間ごとにきっぷを購入するのは非常に手間がかかり、合計金額も高額になります。例えば、徳島から高知、高知から中村、中村から松山、松山から高松と個別にきっぷを買うと、総額は簡単に20,000円を超えてしまいます。

ここで絶大な価値を発揮するのが「四国フリーきっぷ」です。価格は18,000円で、3日間、JR四国全線と土佐くろしお鉄道の一部区間の特急自由席が乗り放題になります。きっぷ購入の手間が一度で済むだけでなく、予定外の途中下車も自由にできるため、コスト面と利便性の両方で圧倒的に優れています。

このように、自分の旅が「単純往復」なのか「周遊」なのかを見極めることが、最適なきっぷ選択の出発点となります。

JR四国の他のお得なきっぷ情報も比較

「往復」という言葉に捉われず、視点を広げると、さらに多様でお得な選択肢が見えてきます。JR四国は利用者の多様なニーズに応えるため、往復タイプ以外にも魅力的なきっぷを多数提供しています。

最強の片道きっぷ「スマえきトク割きっぷ」

前述の通り、JR四国の公式アプリ「しこくスマートえきちゃん（スマえき）」で購入できるデジタルきっぷは、非常に競争力のある価格設定です。特に高松～松山間（3,900円）や高松～高知間（3,420円）の「スマえきトク割きっぷ」は、片道ずつ2枚購入する「片道×2」戦略をとることで、多くの「往復きっぷ」よりも安くなることがあります。これは、JR四国がアプリ利用とチケットレス化を推進するための戦略的な価格設定であり、単純往復の旅行者にとっては見逃せない選択肢です。

旅の自由度を高める「フリーきっぷ」

周遊旅行において最強の選択肢となるのがフリーきっぷです。

四国フリーきっぷ（18,000円／3日間）
3日間の周遊旅行なら、まず検討すべき王道のきっぷです。
週末乗り放題きっぷ（12,000円／1日間）
土休日限定ですが、1日で長距離を往復する際に驚異的なコストパフォーマンスを発揮します。例えば、高松から宇和島へ日帰りで往復する場合、通常なら15,000円以上かかりますが、このきっぷなら12,000円で済みます。
四国グリーン紀行（23,000円／4日間）
4日間、グリーン車や指定席が乗り放題になるプレミアムなパスです。快適性を最優先する旅行や、観光列車を楽しみたい場合に比類なき価値を提供します。

これらのきっぷは、単純なA地点とB地点の往復ではなく、「旅そのもの」を楽しむための強力なツールと言えるでしょう。

役立つ参考記事：JR四国お得なきっぷの比較解説｜旅行に最適な割引情報まとめ