高松と松山を結ぶ特急いしづち。出張や旅行で利用を考えたとき、「料金は結局いくらかかるのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか。JRの駅で正規料金を支払うのは、実は少しもったいないかもしれません。
この記事では、特急いしづち 料金の全体像を分かりやすく解き明かします。特急いしづちの基本料金の仕組みはもちろん、多くの方が迷いがちな自由席と指定席の料金の違い、そして一度は乗ってみたいグリーン車の料金についても詳しく解説します。
さらに、主要な特急いしづちの区間ごとの料金目安を一覧で確認し、他の四国特急との料金比較を通じてその位置づけを明らかにします。もっとお得に旅をしたい方のために、JR四国のフリーきっぷでお得に乗る方法や、見逃せないインターネット予約や早割の活用術、そして知る人ぞ知る料金を安く抑える裏ワザまで、具体的な方法を網羅しました。
最終的に、料金とサービスを考えた利用のポイントを押さえ、あなたの旅が最適なものになるよう徹底的にサポートします。
- 特急いしづちの基本的な料金体系が分かる
- 自由席・指定席・グリーン車の料金の違いが理解できる
- スマホやネットを使った最もお得なきっぷの買い方が分かる
- 旅行スタイルに合わせた最適なきっぷの選び方が分かる
知っておきたい特急いしづちの料金の基本
- 特急いしづちの基本料金は運賃+特急料金
- 自由席と指定席の料金の違いと注意点
- 快適なグリーン車の料金について
- 特急いしづちの区間ごとの料金目安一覧
特急いしづちの基本料金は運賃+特急料金

特急いしづちをはじめ、JRの特急列車に乗車する際の合計料金は、実は2つの料金の合計で成り立っています。これを理解することが、料金体系を把握する第一歩となります。
具体的には、「乗車券」にかかる運賃と、「特急券」にかかる特急料金の2つが必要です。
運賃(乗車券)
運賃は、移動する距離に応じて定められている基本的な鉄道利用料です。これは普通列車に乗る場合でも必ず必要になる料金で、JR四国が定める営業キロに基づいて計算されます。例えば、高松駅から松山駅までの営業キロは194.4kmなので、運賃は3,960円です。
特急料金(特急券)
特急料金は、速くて快適な特急列車を利用するための追加料金です。普通列車より速く目的地に着くための「速達料」と考えると分かりやすいかもしれません。この料金も運賃と同様に、利用する距離に応じて金額が変わります。高松-松山間の場合、自由席を利用するなら特急料金は2,200円となります。
したがって、高松から松山まで特急いしづちの自由席を利用する場合の合計料金は、運賃3,960円と特急料金2,200円を合わせた6,160円が基準となるわけです。後述する割引切符の多くは、この2つの料金がセットになって割引価格で提供されています。
自由席と指定席の料金の違いと注意点

特急いしづちには、主に「自由席」と「指定席」という2つの座席タイプがあり、どちらを選ぶかによって料金とサービスが異なります。
料金の違い
結論から言うと、指定席の方が自由席よりも料金が高く設定されています。高松-松山間の場合、自由席特急料金が2,200円なのに対し、指定席特急料金は2,730円(通常期)となり、その差は530円です。この差額が、座席を確実に確保できるという安心感への対価となります。
サービスとメリット・デメリット
自由席のメリットは、料金が安いことと、有効期間内であればどの特急いしづちの自由席にも乗車できる柔軟性がある点です。一方、デメリットは混雑時に座れない可能性があることです。
指定席の最大のメリットは、出発前に自分の座席が確保されている安心感にあります。特に連休やお盆、年末年始などの繁忙期に移動する際は、指定席の価値は非常に高まります。
指定席料金の季節変動という注意点
指定席を選ぶ際に、一つ注意すべきなのが「季節変動料金」の存在です。指定席特急料金は、利用する時期によって料金が変動する仕組みになっています。
- 閑散期:通常期の200円引き
- 繁忙期:通常期の200円増し
- 最繁忙期:通常期の400円増し
この料金変動は指定席にのみ適用されます。つまり、自由席の特急料金と乗車券の運賃は、ゴールデンウィークやお盆でも年間を通じて変わりません。そのため、少しでも費用を抑えたい場合や、混雑期に価格上昇を避けたい場合は、自由席を選ぶのが賢明な判断と言えるでしょう。
快適なグリーン車の料金について

特急いしづちで、より上質で快適な移動を求める方には「グリーン車」という選択肢があります。これはJRにおけるファーストクラスに相当し、広い座席や静かな車内空間が提供されます。
グリーン車の料金計算は少し独特です。合計金額は以下の3つの要素で構成されます。
- 運賃
- 特急料金(通常期の指定席特急料金から530円を引いた額、つまり自由席特急料金と同額)
- グリーン料金
つまり、グリーン車に乗るために支払う追加料金は、単純にグリーン料金が加算されるわけではなく、特急料金部分が少し割り引かれる仕組みになっています。これにより、見かけのグリーン料金よりも実質的な追加負担は若干少なくなります。
高松-松山間でグリーン車を利用する場合の合計料金は、運賃(3,960円)+特急料金(2,200円)+グリーン料金(2,800円)で、合計8,960円となります。
注意点として、こどもがグリーン車を利用する場合、運賃と特急料金は半額になりますが、グリーン料金はおとなと同額が必要となるルールがあります。家族で利用する際はこの点を覚えておくとよいでしょう。また、グリーン車は、主に岡山方面へ向かう特急「しおかぜ」と連結して走る列車で利用可能です。(「いしづち」では一部列車のみグリーン車を連結)
特急いしづちの区間ごとの料金目安一覧

特急いしづちの料金は、乗車区間によって細かく設定されています。ここでは、主要な区間における通常期の標準料金(割引なし・おとな1名・片道)を一覧表にまとめました。ご自身の移動計画を立てる際の参考にしてください。
区間 | 運賃 | 自由席特急料金 | 合計(自由席) | 指定席特急料金 | 合計(指定席) |
高松 ⇔ 松山 | 3,960円 | 2,200円 | 6,160円 | 2,730円 | 6,690円 |
高松 ⇔ 新居浜 | 2,510円 | 1,730円 | 4,240円 | 2,260円 | 4,770円 |
高松 ⇔ 伊予西条 | 2,180円 | 1,730円 | 3,910円 | 2,260円 | 4,440円 |
高松 ⇔ 観音寺 | 1,200円 | 1,240円 | 2,440円 | 1,770円 | 2,970円 |
松山 ⇔ 新居浜 | 1,500円 | 1,710円 | 3,210円 | 2,240円 | 3,740円 |
松山 ⇔ 伊予西条 | 1,170円 | 1,240円 | 2,410円 | 1,770円 | 2,940円 |
※料金は2025年9月現在のものです。指定席料金は通常期の価格です。
この表はあくまで割引が適用されない場合の基準価格です。次章以降で解説する割引切符を活用することで、ここからさらに料金を安くすることが可能になります。
特急いしづちの料金をぐっと安くする裏ワザ
- インターネット予約や早割の活用が最安
- 回数券など料金を安く抑える裏ワザ
- JR四国フリーきっぷでお得に乗る方法
- 他の四国特急との料金比較で分かること
- 料金とサービスを考えた利用のポイント
- 旅に合う特急いしづち 料金プランの選び方
インターネット予約や早割の活用が最安

特急いしづちの料金を最も効果的に節約する方法は、疑いなくインターネットやスマートフォンのアプリを活用することです。JR四国は利用者をデジタルサービスへ誘導する戦略を採っており、最も割引率の高い商品がそこに集中しています。
最強の割引:スマえきトク割きっぷ
急な出張や片道だけの移動で、とにかく安さを追求するなら「スマえきトク割きっぷ」が他の追随を許しません。JR四国の公式アプリ「しこくスマートえきちゃん(スマえき)」から購入できるデジタルきっぷです。
高松-松山間の自由席が、通常6,160円のところ、なんと3,900円になります。割引額は2,260円、割引率は約37%にも達し、圧倒的なコストパフォーマンスを誇ります。乗車日当日でも購入できる手軽さも大きな魅力です。
ただし、このきっぷは自由席限定であり、購入後の変更ができない、払い戻しには高めの手数料がかかるといったデメリットもあります。予定が確定している場合には最適な選択肢と考えられます。
指定席派なら:e5489専用きっぷ
座席を確実に確保したい場合は、JR西日本・四国のオンライン予約サイト「e5489(イーゴヨヤク)」が便利です。
特に「【e5489専用】指定席往復トク割きっぷ」は、高松-松山間の往復指定席が8,400円(片道あたり4,200円)で利用できます。往復での利用が決まっている旅行者にとっては、通常料金より大幅に安くなるため非常に価値が高い商品です。
これらのデジタルきっぷは、駅の窓口や券売機では購入できません。スマートフォンやパソコンからの事前予約・決済が前提となるため、あらかじめ利用方法を確認しておくことがスムーズな購入の鍵となります。

回数券など料金を安く抑える裏ワザ

複数回利用する予定がある場合や、2人以上で旅行する場合には、「トク割回数券」が非常に有効な選択肢となります。駅の窓口や一部の券売機で購入できる紙のきっぷで、デジタルに不慣れな方でも利用しやすいのが特徴です。
トク割2枚回数券(指定席用)
高松-松山間の指定席に乗車できるきっぷが2枚セットで8,500円(1枚あたり4,250円)です。有効期間は3ヶ月間あるため、週末の往復利用や、友人との片道利用など、柔軟な使い方ができます。
トク割4枚回数券(指定席用)
4枚セットの回数券は、2枚タイプよりもさらに1枚あたりの単価が安くなります。有効期間も6ヶ月と長いため、出張などで頻繁に同区間を利用する個人や、家族旅行、グループ旅行に最適です。
これらの回数券のユニークな点は、おとな用のきっぷ1枚でこども2人が利用できるというルールがあることです。このルールをうまく活用すれば、家族旅行の交通費を大きく節約することが可能です。ただし、回数券は利用できない期間(ゴールデンウィーク、お盆、年末年始など)が設定されている場合があるため、利用前には必ず確認が必要です。
JR四国が発売する各種フリーきっぷでお得に乗る方法

もし、あなたの旅が高松-松山間の移動だけでなく、四国内の複数の都市を巡る周遊旅行なのであれば、区間ごとにきっぷを買うよりも乗り放題タイプの「フリーきっぷ」の方が断然お得になります。
四国フリーきっぷ
このきっぷは、3日間、JR四国全線の特急列車自由席と普通列車が乗り放題になる非常に強力なきっぷです。価格はおとな1名で18,000円です。高松-松山間の自由席往復が12,320円(割引なしの場合)なので、単純な往復だけでは元が取れません。しかし、例えば「高松→松山→宇和島→高知→高松」のように複数の特急を乗り継ぐ旅程であれば、すぐに元が取れてしまいます。
バースデイきっぷ
誕生月に利用できる方にとっては、これ以上ないほどお得なきっぷです。グリーン車用と普通車自由席用の2種類があり、どちらも3日間乗り放題。同行者も最大3名まで同じ価格で購入できるため、誕生日が近い友人や家族との旅行に最適です。
これらのフリーきっぷは、単純な2点間の移動コストと比較するのではなく、旅全体の総移動コストを劇的に下げるための戦略的な選択肢と捉えるべきです。四国を広範囲に楽しみたい旅行者にとっては、これ以上ない味方となるでしょう。
他の四国特急との料金比較で分かること

特急いしづちの料金体系をより深く理解するために、他の四国特急、特に「しおかぜ」との関係性を知ることが欠かせません。
実は、高松-松山間を走る列車の多くは、高松駅から宇多津駅(または多度津駅)まで、岡山方面から来る特急「しおかぜ」と連結して走行します。「いしづち」編成の車両は自由席が中心ですが、「しおかぜ」編成には指定席やグリーン車が含まれています。
このため、 NAVITIMEなどの乗り換え案内で検索すると、同じ「いしづち」でも列車によって指定席が選択できたりできなかったりします。指定席やグリーン車を予約した場合、あなたは実際には連結された「しおかぜ」の車両に乗車していることになるのです。これは単なる技術的な話ではなく、座席を確保したい旅行者は、「しおかぜ」と連結して走る「いしづち」を意図的に選ぶ必要があることを意味します。
料金面で他の特急、例えば高松-高知を結ぶ「南風」や高松-徳島を結ぶ「うずしお」と比較すると、JR四国の料金体系は距離に応じて標準化されているため、走行距離が同程度であれば料金に大きな差はありません。したがって、「いしづち」の料金が特別に高い、あるいは安いということはなく、四国内の特急としては標準的な価格設定と言えます。
料金とサービスを考えた利用のポイント

これまで見てきたように、特急いしづちには様々な料金プランやきっぷが存在します。最終的にどの選択をするべきか、ご自身の旅行スタイルと照らし合わせて考えるためのポイントを整理します。
価格を最優先するなら
予定が確定している片道移動であれば、アプリで購入する「スマえきトク割きっぷ」が最も安価です。割引率は非常に高いですが、変更ができない、自由席のみといった制約を許容する必要があります。
座席の確保を優先するなら
混雑期の移動や、絶対に座って移動したい場合は、指定席の確保が前提となります。この場合、「e5489」で購入する往復割引や、駅で購入できる「トク割回数券」が主な選択肢となります。事前に計画を立てることで、通常料金よりも安く指定席を利用できます。
柔軟性を重視するなら
予定が不確定な場合や、急な変更の可能性があるビジネス利用などでは、割引率と引き換えに柔軟性が低くなるデジタルきっぷは不向きな場合があります。多少割高になっても、変更や払い戻しの条件が緩やかな通常のきっぷや、有効期間の長い回数券の方が結果的にリスクが少ないと考えられます。
要するに、支払う料金は「価格」「利便性(座席確保)」「柔軟性」のトレードオフの関係にあります。どの要素を最も重視するかを明確にすることが、最適なきっぷ選びにつながります。

旅に合う特急いしづち 料金プランの選び方
この記事で解説してきた特急いしづちの料金に関する要点を、最後に箇条書きでまとめます。あなたの次の四国旅行に最適なプランを見つけるためのチェックリストとしてご活用ください。
- 特急いしづちの料金は「運賃」と「特急料金」の合計で決まる
- 最も基本的な料金は高松-松山間の自由席利用で6,160円
- 指定席は自由席より530円高いが座席を確保できる安心感がある
- 指定席料金は閑散期・繁忙期などで年間を通じて変動する
- 自由席料金は年間を通じて一律で価格変動のリスクがない
- 最安のきっぷはアプリ「スマえき」で購入する「スマえきトク割きっぷ」
- 「スマえきトク割きっぷ」は高松-松山間が3,900円と非常にお得
- ただし「スマえき」のきっぷは変更や払い戻しの制約が厳しい
- 座席を確保したい往復旅行なら「e5489」の往復割引が便利
- 複数人や複数回の利用なら「トク割回数券」がコストパフォーマンスに優れる
- 回数券はおとな1枚でこども2人が利用できる裏ワザがある
- グリーン車は特急「しおかぜ」と連結する列車で利用できる
- 指定席を予約する場合も「しおかぜ」併結列車を選ぶ必要がある
- 四国を周遊するなら「四国フリーきっぷ」が圧倒的にお得
- 誕生月なら「バースデイきっぷ」という最強の選択肢も存在する
