こんにちは。Shikokuレールノート 運営者の「よんてつ」です。
高松駅に行くと、毎日のように顔を合わせる赤と緑のラインが入った電車、JR四国7200系。通勤や通学で何気なく乗っている方も多いかもしれませんが、実はこの車両、四国の鉄道事情を語る上で欠かせない「技術の塊」であり「戦略の要」なんですよね。予讃線や土讃線での運用範囲が一体どこまでなのか、気になったことはありませんか?
また、快速サンポートとして走る時の停車駅の法則や、かつての121系時代と比べて座席やトイレといった車内設備がどう劇的に進化したのかも、知れば知るほど面白いポイントです。
この記事では、現在の運用状況から、世界初となる驚きの技術的特徴、そして2025年のダイヤ改正を見据えた将来的な運用戦略まで、余すところなく詳しく掘り下げていきます。
- 7200系が担当する予讃線や土讃線の具体的な運用エリアと限界点
- 快速サンポートや南風リレー号として発揮される高い機動力
- efWING台車やリニューアルされた車内設備のディープな解説
- 2025年ダイヤ改正で見込まれるパターンダイヤ化と運用の変化
JR四国 7200系の運用と特徴を解説
まずは、現在7200系がどのような場所で走り、どのような特徴を持っているのか。その基本となる運用スタイルと車両のスペックについて、私が日々の撮影や乗車で感じた「生の声」を交えながら解説していきます。
予讃線と土讃線での運用範囲

7200系の運用エリアは、基本的にJR四国の「電化区間」に特化しています。高松駅を絶対的な拠点とし、そこから放射状に伸びる予讃線と土讃線の鉄路が彼らの仕事場です。私が普段カメラを構えていても、高松近郊の「顔」といえば間違いなくこの車両だと感じますし、その存在感は圧倒的です。
具体的な運用範囲を見ていきましょう。まず予讃線(海側)では、高松駅から西へ向かい、坂出、宇多津、多度津という主要駅を経由して、観音寺駅や、さらにその先の伊予西条駅あたりまで足を伸ばします。特に高松~観音寺間は本数も多く、7200系の独壇場と言っても過言ではありません。一方で土讃線(山側)においては、多度津駅で予讃線から分岐し、金刀比羅宮の玄関口である琴平駅までの区間で運用されています。
ここで重要なのが「琴平の壁」です。土讃線は琴平駅より南、阿波池田・高知方面へ向かうと険しい猪ノ鼻峠越えの山岳区間に入りますが、ここからは「非電化区間」となります。つまり、架線から電気を取り入れて走る電車である7200系は、物理的に琴平駅より南へは行けないのです。そのため、琴平駅は7200系にとって運用の南限ターミナルとして機能しています。
運用のポイント:編成の柔軟性
7200系は2両編成が基本単位ですが、ラッシュ時やイベント時には2本繋げた4両編成で走ることもあります。さらに7200系×2両と7000系×2両などの変則編成も柔軟にこなします。
逆に日中の閑散時間帯には2両編成で身軽に走るなど、時間帯によって柔軟に長さを変えられるのが強みです。ちなみに、同じ電化区間を走る「6000系」は3両固定編成なので、2両単位で動ける7200系の方が小回りが利き、運用しやすいという特徴があります。
快速サンポートの停車駅と役割
7200系の高い走行性能をフルに発揮しているのが、快速「サンポート」としての運用です。「サンポート」という名称は、高松駅周辺の再開発エリア「サンポート高松」にちなんだ愛称ですが、この列車は単なる各駅停車ではありません。特急列車と普通列車の間を埋め、都市間をスピーディーに結ぶ重要な役割を担っています。
特に注目してほしいのが、その停車駅のパターンです。高松駅を出ると、多くの快速サンポートは主要な停車駅として「端岡(はしおか)」に停車します。ここは高松市のベッドタウンとして機能する国分寺地区の中心であり、通勤・通学需要が非常に高いため、速達列車であっても停車する必要性が高いのです。
一方で、その隣にある「鴨川(かもがわ)」に関しては、少し事情が異なります。鴨川駅には、主に朝夕のラッシュ時間帯の快速列車が停車し、日中の比較的空いている時間帯の列車は通過するという運用が多く見られます。これは、通勤・通学客の多い時間帯はこまめに停車して利便性を確保しつつ、それ以外の時間帯は速達性を重視するという、時間帯ごとの需要に合わせた柔軟なダイヤ設定がなされているためです。
また、坂出駅より西側(宇多津、多度津、観音寺方面)に進むと、運用の性格がさらに変わります。ここでは「快速」という種別を表示していても、実質的には各駅に停車するパターンが一般的です。これは、坂出以西では駅間距離が長くなり、特急通過駅の利用者をこまめに拾う必要があるため、いわゆる「区間快速」的な役割を果たしているからです。高松~坂出間はメリハリをつけて走り、その先は地域密着でこまめに停まる。この使い分けこそがサンポートの真骨頂と言えるでしょう。
南風リレー号としての顔
快速サンポートの一部は、「南風リレー号」という特別な使命を帯びて運転されています。岡山駅発着の特急「南風」(高知方面行き)は、瀬戸大橋を渡って宇多津・多度津へ直行するため、高松駅には来ません。そこで、高松からの乗客を特急停車駅まで運ぶ「接続列車」が必要になります。接続時間が数分しかないシビアなケースも多いため、7200系の強力な加速力と、乗り降りがスムーズな3つのドアが、遅延防止に大きく貢献しているのです。
121系からの改造点とefWING

鉄道ファンとして、そしてメカ好きとして7200系を語る上で絶対に外せないのが、この車両がもともと国鉄時代末期に製造された「121系」からの大改造車(リノベーション車両)だという点です。外観のステンレス車体こそ国鉄時代の面影を残していますが、床下の機器類はほぼ全て一新されており、中身は2010年代の最新車両と何ら変わりません。
その最大の特徴であり、技術的なハイライトと言えるのが、川崎重工製の次世代台車「efWING(イーエフウィング)」の採用です。これは世界で初めて、台車のフレーム部分に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を採用した革新的な製品です。
世界初!CFRPバネがもたらす革命
従来の鉄道車両の台車は、重厚な鋼鉄の枠組みで車輪を支え、金属のコイルばねで振動を吸収していました。しかし、efWINGは台車の側面にある梁(はり)の部分を、弓のような形状をしたCFRP製に置き換えました。このCFRP自体が強力な「板ばね」として機能するため、金属製のコイルばねが不要になったのです。
これにより、台車1つあたり約450kgもの大幅な軽量化を実現しました。さらに、CFRPの柔軟なしなりによって、各車輪がレールの凸凹に対して独立して追従できるようになり、線路への衝撃(軌道破壊力)を劇的に低減させています。カーブが多く、線路保守にコストがかかる予讃線や土讃線の山間部において、線路に優しいefWINGはまさに救世主のような存在なのです。
また、モーターを制御する装置も、古い「抵抗制御」から、最新の「VVVFインバータ制御(東洋電機製造製)」に換装されました。これにより、ブレーキ時に電気を生み出して架線に戻す「回生ブレーキ」が使えるようになり、消費電力を大幅に削減しています。見た目はレトロ、中身はハイテク。このギャップが7200系の魅力なんですよね。
(出典:川崎重工業株式会社 四国旅客鉄道株式会社向けCFRP台車「efWING®」を納入)
座席配置とトイレなど車内設備
「技術的なことはわかったけど、乗り心地はどうなの?」という読者の皆さんのために、車内設備についても徹底的にレポートします。7200系の車内は、通勤ラッシュと長距離移動の両方に対応するため、「セミクロスシート」という配置を採用しています。
これは、ドア付近や車端部にはロングシート(窓を背にして座るベンチシート)を、車両中央部にはクロスシート(進行方向または逆向きに座るボックス席)を配置するスタイルです。特筆すべきは、ロングシート部分が平らなベンチから、一人ひとりの着座位置がくぼんだ「バケットタイプ」に変更されたことです。121系時代のシートは正直硬くて平坦で、カーブでお尻が滑ることもありましたが、7200系ではしっかりと体をホールドしてくれるようになり、座り心地は格段に向上しました。座席のモケット(表地)も、片側が赤系、もう片側が緑系という鮮やかなデザインに張り替えられ、車内の雰囲気がパッと明るくなっています。
「虫の脱皮殻」?袖仕切りの秘密
ドア横にある座席の仕切り板(袖仕切り)にご注目ください。ここには半透明の樹脂素材が使われています。独特の有機的な模様が入っているため、ファンの間では冗談めかして「虫の脱皮殻みたい」なんて言われることもありますが、機能性は抜群です。完全に不透明な板にしてしまうと車内が狭く感じられますが、光を通す素材にすることで、圧迫感を減らしつつ、立っている人のカバンなどが座っている人に当たらないようガードしているのです。
そして、旅行者にとって重要なトイレ問題。7200系には、同じ予讃線を走る7000系電車に準じた大型のバリアフリートイレが設置されています。従来の狭い和式トイレから一変し、車椅子でもそのまま入れる広々とした洋式トイレになりました。トイレの向かい側には車椅子やベビーカーのためのフリースペースも確保されており、バリアフリーの観点からも安心して利用できる車両に仕上がっています。これなら、小さなお子様連れの家族旅行でも安心ですね。
また7000系と比較したい場合は、『JR四国 7000系の運用ガイド!活躍路線から最新情報まで』も合わせてチェックしてみてください。運用の違いなどがより明確に分かるはずです。
ワンマン運転の対応状況と方法
近年、JR四国では人手不足への対応や効率化のために「ワンマン運転」を行う列車が増えています。7200系もこのワンマン運転に完全対応しており、実際に日中や夜間の一部列車では車掌さんが乗務しないワンマン運行が行われています。
初めて利用する方が戸惑いやすいのが、このワンマン時の乗り降りルールです。7200系がワンマン運転を行う場合、基本的には「後乗り・前降り」方式が採用されますが、駅によっては全てのドアが開く場合もあります。最も注意が必要なのは、無人駅での降車時です。通常、2両編成の後ろの車両のドアは「締め切り(ドアカット)」扱いとなり、開きません。乗客は先頭車両の一番前のドアまで移動し、運転士さんのすぐ後ろにある運賃箱に運賃やきっぷを入れる必要があります。
車内には運賃表示モニター(運賃表)や整理券発行機が設置されており、バスと同じような感覚で利用できます。最近では交通系ICカード(ICOCAなど)が使えるエリアも高松周辺で拡大していますが、エリア外へ乗り越す場合などは現金が必要になるので注意しましょう。
ドアボタンの「押し込み」テクニック
7200系のドアは「半自動」扱いになることが多く、乗り降りの際は自分でボタンを押してドアを開けます。この時、外側の「開」ボタンは普通に押せば開くのですが、車内の「閉」ボタンには工夫があります。混雑時に乗客の体やカバンが当たって勝手にドアが閉まらないよう、ボタンがパネルから少し出っ張った形状をしており、かつ「グッと奥まで押し込まないと反応しない」ようになっています。「あれ?閉まらない?」と焦らず、指でしっかりと押し込んでみてください。
ダイヤ改正後のJR四国 7200系の運用戦略
さて、ここからは2025年3月のダイヤ改正を経て、7200系の運用がどのように変化し、現在どのような役割を果たしているのかについて深掘りしていきましょう。改正から半年以上が経過し、新しいダイヤも私たちの生活にすっかり定着してきました。JR四国が掲げる「四国モデル」の中で、このリノベーション車両が実際にどのような成果を上げているのか、私なりの視点で分析します。

2025年ダイヤ改正のポイント
2025年3月に実施されたダイヤ改正は、JR四国にとって大きな転換点となりました。ご存知の通り、この改正の最大のテーマは「持続可能な交通ネットワーク(四国モデル)」の構築でした。人口減少が続く中で、いかにして利便性を損なわずに効率的な鉄道網を維持するか。この半年間の運行状況を見ていると、その答えの一つが、7200系のような「既存資産の徹底活用」にあったことがよく分かります。
最新の特急2700系や新型気動車が華々しくデビューする一方で、普通列車の主役として淡々と、しかし確実に運用をこなしているのが7200系です。車体こそ昭和生まれですが、足回りは最新鋭。この「ハイブリッドな古さ」を持つ車両が、新車導入コストを抑制しながらも、ダイヤ改正後の過密な運用やワンマン化の波に見事に対応している現実は、もっと評価されても良い点だと感じています。まさに、この改正を現場レベルで支えている影のMVPと言えるでしょう。
パターンダイヤ導入と時刻表

改正後、私たちが最も肌で感じている変化といえば、やはり「パターンダイヤ(定間隔運行)」の本格的な定着ではないでしょうか。特に高松~多度津・観音寺間の予讃線において、日中の列車が「毎時15分、45分発」といった形で規則正しく発車するスタイルは、この数ヶ月ですっかり当たり前の光景になりました。
正直なところ、改正直後は「前のダイヤと違う」と戸惑う声も聞かれましたが、今では「時間を調べなくても駅に行けば乗れる」という利便性が広く認知されています。
7200系はこのパターンダイヤのメインランナーとして、来る日も来る日も正確に走り続けています。運用がパターン化されたことで、車両の運用ローテーションも以前より効率化されたようで、突発的な車両変更や遅延が減ったように感じます。私たち利用者にとっても、運用側にとっても、Win-Winの関係が築けていると言えそうです。

南風リレー号の接続パターン
パターンダイヤの定着とセットで語るべきなのが、特急列車との接続、いわゆる「リレー運用」の進化です。高松発着の特急が減少傾向にある中、快速サンポート(7200系)による「南風リレー号」の役割は、この半年でさらに重みを増しました。
実際に宇多津駅や多度津駅を利用すると分かりますが、特急「南風」と快速「サンポート」の対面乗り換え(同一ホームでの乗り換え)は、以前にも増してシステマチックに行われています。7200系がホームに滑り込むと、向かい側には特急が待っている、あるいはその逆という光景が日常化しました。
ここで重要なのが、7200系の高い加減速性能です。数分の遅れが発生しても、次の接続駅までに回復して乗り換え時間を確保する。そんな「隠れたファインプレー」を、私はこの半年間で何度も目撃しました。もしこの車両が旧型のままだったら、今のスムーズな接続ダイヤは維持できていなかったかもしれません。
持続可能な四国モデルの実現

最後に、現在進行形で進んでいる「四国モデル」において、7200系がどのような存在になっているかを総括します。それはまさに、「リノベーションによるサステナビリティ」の実証実験が成功している姿だと言えます。
新車を次々と投入するのではなく、使える車体を徹底的に直し、中身を最新にして使い続ける。この戦略は、2025年現在の視点で見ても、極めて合理的で「四国らしい」選択でした。efWING台車による線路保守費用の削減効果や、回生ブレーキによる電力削減効果は、日々の運行コストを着実に押し下げています。
| 比較項目 | 旧121系時代(~2016年) | 7200系(現在) | 現在の運用メリット |
|---|---|---|---|
| 制御方式 | 抵抗制御 (非効率な電力消費) | VVVFインバータ制御 (省エネ・回生ブレーキ) | 電力費高騰の中でもランニングコストを抑制中 |
| 台車構造 | 鋼鉄製コイルばね台車 | efWING(CFRPバネ) | 線路への負担減により、保線作業の省力化に貢献 |
| バリアフリー | 和式トイレ・段差あり | 洋式大型トイレ・スペース確保 | 高齢化が進む四国において必須のサービスレベルを維持 |
※表は仕様に基づく比較です。
厳しい経営環境の中で、地域の足を守り抜く。その最前線で、7200系は今日も「技術の力」で課題に立ち向かっています。ピカピカの新車も良いですが、知恵と工夫で生まれ変わったこの車両にこそ、これからの地方鉄道が生き残るためのヒントが詰まっているのかもしれません。

今後のJR四国 7200系の運用まとめ
今回は「JR四国 7200系 運用」というテーマで、その詳細な運用範囲から、隠された最先端技術、そして2025年現在のリアルな活躍ぶりまで、かなりディープに深掘りしてきました。
一見すると、昔ながらの国鉄型車両のリメイクに過ぎないように見える7200系。しかしその内実は、航空宇宙技術由来の素材を足回りに使い、最新のパワーエレクトロニクスで制御された、極めて高度なハイテク車両であることがお分かりいただけたかと思います。高松エリアの激しい通勤ラッシュから、特急へのリレー輸送、そしてのんびりとしたローカル運用まで。1つの形式でこれほど多様な役割を完璧にこなす「万能選手」として、今の四国にはなくてはならない存在です。
明日もまた、予讃線・土讃線の鉄路において、その特徴的なefWING台車をしならせながら、地域の足として走り続ける姿が見られるでしょう。次に乗車する際は、ぜひ足元の黒い弓型の台車や、明るく生まれ変わった車内の様子に注目してみてください。きっと今までとは違った景色が見えてくるはずです。
※本記事は2025年11月時点での情報に基づいています。運用や時刻は変更される可能性がありますので、最新の正確な運行情報については、必ずJR四国の公式サイトをご確認ください。

