特急いしづちの自由席を利用する際、失敗や後悔をしないために、どの車両に乗れば良いか迷った経験はありませんか。自由席と指定席の違いがよくわからなかったり、自由席の料金はいくらなのか、そしてお得なきっぷがあるのか気になったりするものです。
また、特急いしづち自由席の場所や、具体的な座席配置と特徴、車窓からの景色が良いおすすめ乗車区間についても知りたいところでしょう。さらに、自由席を確保するタイミングや休日の混雑状況、そして長時間でも疲れない快適な座り方のコツまで、知っておくべき情報は多岐にわたります。この記事では、これらの疑問にすべてお答えし、あなたの旅を成功に導くための知識を網羅的に提供します。
- 列車ごとの正しい自由席の号車と座席の特徴
- 通常料金より大幅に安くなるお得なきっぷの購入方法
- 混雑する時期や時間帯を避けて快適に乗車する戦略
- 始発駅以外からでも自由席を確保するための具体的なコツ
特急いしづち自由席の基本ガイド
ここでは、特急いしづちの自由席を利用する上で、まず知っておきたい基本的な情報を解説します。
- 自由席と指定席の違いを解説
- 自由席の料金はいくら?割引情報も
- 特急いしづち自由席の場所はどこ?
- 車両ごとの座席配置と特徴
- 風景を楽しむおすすめ乗車区間
自由席と指定席の違いを解説

特急いしづちにおける自由席と指定席の最も大きな違いは、「座席が確保されているかどうか」という点です。
指定席は、乗車する列車と座席を事前に予約するため、必ず座れるという安心感があります。一方、自由席は乗車する列車のみが決まっており、どの車両のどの席に座るかは乗車してから早い者勝ちで決まります。そのため、自由席は指定席よりも料金が安く設定されているのが一般的です。
この違いは、旅のスタイルに大きく影響を与えます。例えば、絶対に座りたい繁忙期や、荷物が多い旅行では指定席が向いています。逆に、乗る列車を柔軟に変えたい場合や、少しでも費用を抑えたい場合には自由席が便利な選択肢となります。
ただし、自由席には満席で座れないリスクが伴います。特にゴールデンウィークやお盆、年末年始などのピークシーズンには、通路やデッキに立つことになる可能性も考慮しておく必要があります。

自由席の料金はいくら?割引情報も
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自由席の料金は、乗車券と自由席特急券の合計で決まります。しかし、購入方法を工夫することで、この料金を劇的に安くできます。
結論から言うと、JR四国のスマートフォンアプリ「しこくスマートえきちゃん(スマえき)」で購入できる「スマえきトク割きっぷ」が最もお得です。
区間 | 購入方法 | 合計運賃(大人片道) | 通常料金との差額 |
高松 ⇔ 松山 | 駅の窓口・券売機 | 6,160円 | — |
高松 ⇔ 松山 | スマえきアプリ | 3,900円 | -2,260円 |
高松 ⇔ 今治 | 駅の窓口・券売機 | 5,050円 | — |
高松 ⇔ 伊予西条 | 駅の窓口・券売機 | 4,170円 | — |
上記の表が示す通り、高松・松山間では通常料金6,160円(乗車券3,960円+自由席特急券2,200円)のところ、「スマえきトク割きっぷ」を利用すれば3,900円となり、2,260円も節約が可能です。これは、自由席特急券の料金がほぼ全額割引されることに相当し、非常にお得な価格設定です。
この大幅な割引は、JR四国が利用者を窓口からデジタルサービスへ移行させるための戦略的な価格体系と言えます。そのため、特急いしづちの自由席をお得に利用する上で、「スマえき」の活用はもはや必須の知識となっています。アプリで事前に購入し、当日はスマートフォンの画面を提示するだけで乗車できる手軽さも魅力です。

特急いしづち自由席の場所はどこ?

特急いしづちの自由席が連結されている号車は、実は固定されていません。使用される車両の形式や列車番号、さらには平日か土曜・休日かによって細かく変動するため、乗車前の確認が大切です。
最も一般的なパターンは以下の通りです。
基本的な号車配置
- 8000系車両の場合(しおかぜと併結): 岡山行きの「しおかぜ」と共に走る編成では、基本的に6号車と7号車が自由席に設定されます。
- 8600系車両の場合(単独運転): 「いしづち」が単独で走る2両編成の列車では、6号車が全席自由席、8号車が指定席と自由席の混在となることが多いです。
注意が必要な例外列車
この基本ルールには多くの例外が存在します。特に以下の列車に乗車する際は注意が必要です。
列車名・条件 | 自由席の号車 | 備考 |
いしづち4号 (平日) | 6・7号車、8号車の一部 | 通勤・通学需要に対応するため8号車の一部が追加されます |
いしづち101号 | 2号車または3号車 | 通常は指定席の号車が自由席になる特殊な列車です。駅の案内で必ず確認してください |
いしづち102号 | 6・7号車、8号車の一部 | 4号と同様に、8号車の一部が自由席として開放されます |
いしづち103号 (平日) | 6・7号車、8号車全席 | 8号車がすべて自由席となる、さらに踏み込んだ設定です |
このように、号車の配置は非常に流動的です。乗車前には、必ず駅の電光掲示板やホームの乗車口案内で、自分が乗る列車の自由席が何号車かを確認する習慣をつけましょう。
車両ごとの座席配置と特徴

特急いしづちには、主に「8000系」と「8600系」という2種類の車両が使用されており、どちらに乗車するかで車内設備や快適性が異なります。
ベテラン車両:8000系
長年、予讃線の主力として活躍してきた車両です。現在、2027年度完了を目標にリニューアルが進められています。
- 座席: 更新された車両は、柑橘と瀬戸内の海をイメージした明るいデザインのモケットに張り替えられています。
- コンセント: リニューアル済みの車両には、窓側にモバイル用コンセントが設置されています。しかし、未更新の車両にはコンセントがないため、乗車するまで有無がわからないのが現状です。
- その他: 7号車にトイレがない編成があるなど、編成によって設備が少しずつ異なります。車椅子対応座席と多目的トイレは、6号車に設置されています。
新世代の旗手:8600系
比較的新しい車両で、モダンな内外装が特徴です。
- 座席: 全席にモバイル用コンセントが完備されている編成が多く、非常に便利です。座席の快適性も高く評価されています。
- コンセント: 前述の通り、多くの座席にコンセントが設置されており、スマートフォンやPCの充電に困ることはありません。
- その他: 車内は静粛性が高く、快適な乗り心地を提供します。
どちらの車両が来るかは運用によって決まるため、乗客が選ぶことはできません。コンセントを確実に使いたい場合は、モバイルバッテリーを持参するのが最も確実な対策と言えるでしょう。
風景を楽しむおすすめ乗車区間

高松と松山を結ぶ予讃線は、車窓からの風景が豊かに変化する魅力的な路線です。自由席に座るなら、ぜひ景色も楽しんでみてください。
座席は進行方向に向かって、下り列車の場合はA席が海側、D席が山側となるのが基本です。
高松から松山へ向かう場合(下り)
- 高松駅〜観音寺駅: この区間では、A席(海側)の窓から穏やかな瀬戸内海の景色を断続的に楽しむことができます。特に海岸寺駅周辺では、線路が海岸線のすぐそばを走るため、美しい海の風景が広がります。
- 伊予西条駅〜松山駅: 伊予西条を過ぎると、列車は四国山地の間を縫うように走ります。ここでD席(山側)からは雄大な石鎚山系の山並みを眺めることができ、今治〜松山間ではA席から海の景色を楽しめます。
松山から高松へ向かう場合(上り)
上りの場合も基本的に同じです。つまり、松山駅から伊予西条駅まではA席(海側)、観音寺駅から高松駅までもA席(海側)が、それぞれおすすめの座席となります。旅の目的に合わせて座る位置を選ぶと、移動時間がより一層楽しいものになるはずです。
特急いしづち自由席の攻略テクニック
ここからは、自由席をより賢く、そして快適に利用するための実践的なテクニックを紹介します。
- 自由席に乗るなら何号車が狙い目?
- 自由席を確保するベストなタイミング
- 自由席の混雑状況とピーク時間帯
- 長時間でも疲れない快適な座り方のコツ
- 賢く乗ろう!特急いしづち 自由席の旅
自由席に乗るなら何号車が狙い目?

同じ自由席でも、どの車両を選ぶかによって混雑度が異なる場合があります。より空いている席を見つけるための狙い目は、「ホームの階段やエスカレーターから遠い車両」です。
多くの乗客は、乗り換えの利便性から、駅の主要な出入り口に近い中間の車両に集中する傾向があります。そのため、少し手間でもホームの端の方まで歩いて、編成の前方または後方の車両を狙うと、比較的空いている席を見つけられる可能性が高まります。
例えば、自由席が6号車と7号車の2両ある場合、階段から遠い方の車両が空いていることが多いと考えられます。
また、前述の通り、列車によっては通常は指定席である号車が自由席として開放される例外的なケースがあります。「いしづち101号」や「いしづち103号(平日)」などがそれに該当します。これらの列車では、多くの乗客がいつもの自由席号車に集中するため、例外的に開放された号車が穴場になることがあります。こうした情報を事前に知っているかどうかが、快適な席を確保する上で大きな差を生むかもしれません。

自由席を確保するベストなタイミング

自由席を確実に確保するための最も効果的な方法は、「始発駅で、列車の入線時刻より少し早めにホームで待つ」ことです。
高松駅や松山駅といった始発駅から乗車する場合、列車が出発する10分〜15分前にはホームに入線していることが多いです。乗車列の先頭の方に並ぶことができれば、窓側の席や複数人での並び席も自由に選べます。特に連休や週末など混雑が予想される日は、出発時刻の15分以上前にはホームで待機しておくのが賢明です。
途中駅から乗車する場合は、座席の確保が難しくなります。列車がホームに到着する直前に並んだのでは、すでに満席になっている可能性が高いでしょう。少しでも座れる確率を上げるには、やはりホームの乗車口で早めに待機し、列車が到着したら速やかに乗り込めるように準備しておくことが大切です。乗車する列車の到着時刻を正確に把握し、余裕を持った行動を心がけましょう。
自由席の混雑状況とピーク時間帯
特急いしづちの自由席の混雑状況は、年間を通じて、また1週間の中でも特定の時期や時間帯に集中する傾向があります。
年間の繁忙期
まず、避けるべきは日本全国の鉄道で共通する三大ピーク期です。
- ゴールデンウィーク(4月下旬〜5月上旬)
- お盆(8月中旬)
- 年末年始(12月下旬〜1月上旬)
これらの期間は、帰省客や観光客で自由席が満席になる確率が非常に高くなります。さらに、この時期には宇多津駅や多度津駅で「しおかぜ」への乗り換えが必須となる臨時ダイヤが組まれることもあり、旅の負担が増す可能性も考慮しなければなりません。
週間・日内のピーク時間
- 金曜日の夕方以降: 週末を過ごすための移動が始まります。
- 月曜日の朝: 週明けの出張などビジネス利用者が多くなります。
- 日曜日の午後から夕方: Uターンラッシュで最も混雑が激しくなる時間帯です。
これらのピークを外した平日の日中であれば、自由席がかなり空いていることも珍しくありません。貸し切りに近い状態でゆったりと旅ができる可能性もあります。旅程を柔軟に組めるのであれば、これらの混雑する時期や時間帯を意識的に避けることが、快適な乗車への鍵となります。
長時間でも疲れない快適な座り方のコツ

高松・松山間の所要時間は約2時間半です。この時間を快適に過ごすためには、座席選びと過ごし方にいくつかのコツがあります。
まず、座席選びでは窓側か通路側か、それぞれのメリットを理解しておくことが役立ちます。窓側は景色を楽しめ、壁に寄りかかれるため仮眠しやすいですが、トイレなどで席を立つ際に隣の人に気を使う必要があります。一方、通路側は景色は見えにくいものの、席を立ちやすく、足を少し伸ばせるという利点があります。
次に、座席の設備を最大限に活用することです。リクライニングは、倒しすぎると後ろの乗客の迷惑になるため、一声かけてから適度な角度で利用するのがマナーです。フットレスト(足置き)が装備されている車両では、これを活用すると足の疲れがかなり軽減されます。
また、快適性を高めるためのアイテムを持参するのも良い方法です。空気で膨らませるタイプのネックピローや腰当てクッションがあれば、長時間の着席でも身体への負担を減らせます。コンセントがある座席を確保できた場合は、スマートフォンの充電はもちろん、ポータブルゲーム機などで時間をつぶすことも可能です。少しの工夫で、移動時間を快適なリラックスタイムに変えることができるでしょう。
賢く乗ろう!特急いしづち自由席の旅
この記事で解説した、特急いしづちの自由席を賢く利用するための重要なポイントを最後にまとめます。
- 自由席は予約なしで乗れるが満席のリスクがある
- 指定席は座席が確保されるが料金は割高になる
- 料金を最も安くするなら「スマえきトク割きっぷ」一択
- 高松・松山間なら「スマえき」活用で通常より2,260円もお得になる
- 自由席の号車は列車や曜日によって変動する
- 基本は6号車と7号車だが例外が多い
- 乗車前には必ず駅の案内表示で号車を確認する
- 車両は8000系と8600系の2種類がある
- コンセントの有無は車両によって異なる
- 車窓風景は瀬戸内海と四国山地の両方が楽しめる
- 空いている車両を狙うならホームの端へ向かう
- 始発駅なら出発15分前にはホームで待機する
- 三大ピーク期(GW・お盆・年末年始)は大変混雑する
- 週末の移動が集中する金曜夕方や日曜午後も混みやすい
- これらのポイントを理解すればあなたの旅はより快適になる