松山への旅行や出張を計画しているけれど、名前がよく似た「松山駅」と「松山市駅」の違いが分からず、戸惑ってはいませんか。どちらの駅を利用すれば良いのか分からずに失敗したり後悔したりしないためにも、事前の情報収集は欠かせません。この記事では、松山駅と松山市駅の場所の違いから、それぞれの駅の路線・運行会社の違いまで、基本的な情報から分かりやすく解説します。
さらに、JR松山駅の特徴とアクセス方法、そして伊予鉄松山市駅の特徴とアクセス方法を具体的に掘り下げます。空港や港からのアクセスの違いや、特急・高速バスの発着駅の違いについても詳しく比較するため、あなたの旅のプランニングに役立つはずです。
観光スポットへの行きやすさ比較や、駅周辺のグルメ・ショッピング情報も網羅的にご紹介。この記事を読めば、乗り換え方法と便利な行き方を理解し、あなたの旅行でどちらを利用すべきかの選び方が明確になります。
- 2つの駅の基本的な違い(場所・運営会社・役割)
- 目的地別の最適な駅の選び方(観光・ビジネス)
- 主要観光地や空港への具体的なアクセス方法
- 乗り換えや駅周辺で役立つ実用的な情報
基本から解説!松山駅と松山市駅の違い

- 松山駅と松山市駅の場所の違い
- 駅の路線・運行会社の違い
- JR松山駅の特徴とアクセス方法
- 伊予鉄松山市駅の特徴とアクセス方法
- 乗り換え方法と便利な行き方
松山駅と松山市駅の場所の違い

松山市内には二つの主要な駅が存在し、その立地は全く異なります。結論から言うと、JR松山駅は「市の玄関口」、松山市駅は「市の中心地」という役割を担っています。
JR松山駅は、松山市の中心市街地から見て西側のエリアに位置しています。県外からの旅行者が特急列車で松山に到着する際の窓口となる駅ですが、繁華街である大街道(おおかいどう)や銀天街(ぎんてんがい)からは少し離れています。
一方、松山市駅は、地元で「市駅(しえき)」の愛称で親しまれており、まさに市の中心部の心臓部にあります。四国最大の百貨店「いよてつ髙島屋」が駅ビルに入居し、松山最大の商店街である大街道や銀天街の南端に直結しています。このため、買い物や食事、そして市内交通のハブとして、常に多くの人で賑わうエリアです。
この二つの駅は約1km強離れており、徒歩での移動も可能ですが、路面電車を利用するのが一般的です。
駅の路線・運行会社の違い
二つの駅は、運営する鉄道会社と、そこから伸びる路線の役割が根本的に異なります。この違いを理解することが、両駅を使い分ける上で最初のステップとなります。
JR松山駅は、その名の通り「JR四国(四国旅客鉄道)」が運営しています。主に愛媛県外の主要都市、例えば岡山(本州)や香川県の高松などを結ぶ長距離の特急列車が発着する駅です。県をまたぐ広範囲の移動を担う、国の鉄道ネットワークの一部と考えると分かりやすいでしょう。
対照的に、松山市駅は地元の民間企業である「伊予鉄グループ(伊予鉄道)」が運営しています。こちらは松山市内やその近郊(松山平野)を結ぶ交通ネットワークの拠点です。具体的には、郊外へ向かう電車、市内を網羅する路面電車、そして市内各地や松山空港へ向かう路線バスの巨大なターミナルとなっています。地域に密着した交通インフラの中心が、松山市駅です。
JR松山駅の特徴とアクセス方法

JR松山駅は、主に県外から訪れる人々が利用する、松山の陸の玄関口です。岡山駅で山陽新幹線に接続する特急「しおかぜ」や、高松駅へ向かう特急「いしづち」が発着し、四国内外の広域移動において中心的な役割を果たします。
2024年9月には新駅舎が開業し、長年の課題であった線路による市街地の分断を解消する高架化事業も進行中です。これにより、駅の利便性や周辺エリアの発展が期待されています。
ただし、前述の通り、JR松山駅は市の中心的な繁華街からは少し距離があります。駅前から中心部へ向かうには、伊予鉄道の路面電車への乗り換えが必要です。駅前ロータリーにある「JR松山駅前」電停から乗車し、約10分で大街道や松山市駅といった中心エリアに到着できます。この一手間が、JR松山駅を利用する際の注意点と言えます。
伊予鉄松山市駅の特徴とアクセス方法

伊予鉄松山市駅、通称「市駅」は、名実ともに松山の商業・交通の中心です。駅ビルには「いよてつ髙島屋」があり、駅の目の前からは大街道・銀天街といったアーケード商店街が続いています。買い物や食事を楽しむなら、まずこの駅を目指すのが正解です。
交通のハブとしての機能も非常に強力です。松山市の郊外を結ぶ「郊外電車」の始発駅であり、市内観光に欠かせない「市内電車(路面電車)」の路線が集まる一大ジャンクションでもあります。さらに、駅前のバスターミナルからは、市内全域への路線バス、松山空港へのリムジンバス、そして各都市へ向かう高速バスが多数発着しています。
松山市駅の利用者数は四国の全鉄道駅の中で最も多く、このことからも地域住民の日常生活にとっていかに重要な場所であるかが分かります。松山市民の生活動線の中心に位置するのが、この松山市駅なのです。
乗り換え方法と便利な行き方

JR松山駅と松山市駅の間を移動する最も便利で一般的な方法は、伊予鉄道の路面電車です。JR松山駅の駅前広場から地下道を抜けた先にある「JR松山駅前」電停から、2番の環状線(大街道方面)または5番線(道後温泉行き)に乗車します。
どちらの路線に乗っても「松山市駅」電停に到着でき、所要時間は約10分です。運賃は市内均一料金で、大人は200円です(2025年10月時点)。日中の運行本数も多く、数分待てば次の電車が来るため、非常に利便性が高いと言えます。
もし荷物が多い場合や、時間を少しでも短縮したい場合は、タクシーを利用する選択肢もあります。所要時間は交通状況によりますが、約5〜6分が目安です。

旅の目的に合わせたい 松山駅と松山市駅の違いについて
- 特急・高速バスの発着駅の違い
- 空港や港からのアクセスの違い
- 観光スポットへの行きやすさ比較
- 駅周辺のグルメ・ショッピング情報
- 旅行でどちらを利用すべきかの選び方
- まとめ:松山駅と松山市駅の違いを理解
特急・高速バスの発着駅の違い
長距離移動の手段として特急列車や高速バスを利用する場合、どちらの駅が拠点となるかは行き先によって異なります。
まず、鉄道の特急列車(JR)は、全てJR松山駅からの発着となります。岡山や高松へ向かう際は、必ずJR松山駅を利用することになります。
一方、都市間を結ぶ高速バスは、行き先によって発着場所が異なりますが、多くの路線がJR松山駅と松山市駅の両方を経由します。しかし、松山市駅のバスターミナルの方が規模が大きく、発着する路線の数も多い傾向にあります。特に、東京、大阪、福岡といった主要都市へ向かう便は、松山市駅を始発・終着点としていることが多いです。
旅行の計画を立てる際には、利用したい高速バスの運行会社のウェブサイトで、正確な乗り場を事前に確認しておくことが大切です。
交通手段 | JR松山駅 | 松山市駅 | 備考 |
JR特急列車 | ◎(発着拠点) | × | 岡山、高松方面など |
高速バス | 〇(経由地) | ◎(主要ターミナル) | 多くの路線が両駅に停車するが、市駅発着が中心 |
空港リムジンバス | 〇 | ◎ | 市駅前のバス停が主要な乗り場 |
空港や港からのアクセスの違い

松山への空路や海路でのアクセスにおいても、二つの駅の利便性には差が見られます。
松山空港からのアクセス
松山空港から市内中心部へは、リムジンバスを利用するのが最も一般的です。このリムジンバスは、JR松山駅と松山市駅の両方に停車します。ただし、松山市駅の方が繁華街やホテルが多く集まるエリアに位置しているため、観光やビジネスの拠点としては、松山市駅で下車する方が便利な場合が多いでしょう。所要時間は、空港からJR松山駅までが約15分、松山市駅までが約25分です。
松山観光港(高浜港)からのアクセス
フェリーなどで松山観光港に到着した場合、市内へのアクセスは松山市駅が圧倒的に便利です。港の最寄り駅である伊予鉄道高浜線の「高浜駅」から郊外電車に乗れば、乗り換えなしで終点の松山市駅まで約21分で到着します。JR松山駅へ行くには、松山市駅で路面電車に乗り換える必要があります。
観光スポットへの行きやすさ比較

松山市内の主要な観光スポットを巡る際、どちらの駅を拠点にするかで移動の効率が大きく変わります。結論として、ほとんどの観光地へは松山市駅からのアクセスが優れています。
松山城へのアクセス
松山のシンボルである松山城へは、路面電車を利用してロープウェイのりばの最寄りである「大街道」電停へ向かうのが一般的です。松山市駅から「大街道」までは約6分ですが、JR松山駅からは約10分かかります。わずかな差ですが、商店街を散策しながら向かうことを考えると、松山市駅の方が動線はスムーズです。
道後温泉へのアクセス
日本最古の温泉として知られる道後温泉へも、松山市駅が便利です。松山市駅から道後温泉行きの路面電車(3番線)に乗れば、終点まで乗り換えなしで約25分です。JR松山駅からも同様に直通の路面電車(5番線)がありますが、所要時間は約28分と少し長くなります。
このように、市内の主要観光地へのアクセスは、路面電車のネットワークの中心に位置する松山市駅に軍配が上がります。
駅周辺のグルメ・ショッピング情報

食事や買い物を楽しむ場所という観点から二つの駅を比較すると、その差は歴然です。松山市駅周辺エリアが圧倒的に充実しています。
松山市駅には、前述の通り、四国最大の百貨店「いよてつ髙島屋」が併設されています。デパ地下のグルメから高級ブランド、レストラン街まで、あらゆるニーズに応える店舗が揃っています。さらに、駅からは「銀天街」「大街道」という二つの大きなアーケード商店街が伸びており、地元の名産品を扱う店、カフェ、郷土料理を提供する飲食店などが軒を連ねています。松山の魅力を満喫するなら、このエリアが中心となるでしょう。
一方、JR松山駅周辺も再開発によって新しくなりつつありますが、現時点では商業施設の集積度において松山市駅周辺には及びません。飲食店や土産物店はありますが、選択肢の多さでは大きく差があります。
旅行でどちらを利用すべきかの選び方
これまでの情報を踏まえて、どのような場合にどちらの駅を利用すべきか、具体的な選び方を整理します。
JR松山駅を利用すべきケース
- JRの特急列車を利用して、県外(岡山や高松など)へ移動する、または県外から到着する場合
- 愛媛県南部の宇和島方面へJRで向かう場合
基本的に、JRの路線を使った長距離移動の際はJR松山駅が起点となります。
松山市駅を利用すべきケース
- 松山城や道後温泉など、市内の主要観光地を巡る場合
- 松山空港や松山観光港から市内中心部へ向かう場合
- 大街道や銀天街でショッピングや食事を楽しみたい場合
- 郊外電車や路線バスを利用して、松山市内・近郊の目的地へ向かう場合
- 高速バスを利用して、主要都市へ移動する場合(多くの路線の起点)
まとめると、「県をまたぐJRでの移動はJR松山駅、それ以外のほとんどの目的においては松山市駅が便利」と覚えておくと良いでしょう。

まとめ:松山駅と松山市駅の違いを理解
この記事では、松山観光やビジネスで失敗しないために知っておくべき、JR松山駅と松山市駅の違いについて多角的に解説しました。最後に、重要なポイントを箇条書きでまとめます。
- JR松山駅は市の西側に位置する「玄関口」
- 松山市駅は繁華街の中心にある「心臓部」
- JR松山駅の運営はJR四国で、県外への長距離移動が主
- 松山市駅の運営は伊予鉄グループで、市内・近郊交通のハブ
- 二つの駅は約1km離れており、路面電車での移動が基本
- 路面電車での所要時間は約10分、運賃は大人200円
- JRの特急列車は全てJR松山駅から発着する
- 高速バスは松山市駅のターミナルがより中心的
- 松山空港からのリムジンバスは両駅に停車する
- 松山観光港からは松山市駅へのアクセスが圧倒的に便利
- 松山城や道後温泉など主要観光地へは松山市駅からが近い
- 買い物や食事は松山市駅周辺が圧倒的に充実している
- 駅ビルには百貨店「いよてつ髙島屋」が入居
- JR松山駅は2024年に新駅舎が開業し、周辺は開発途上
- 旅行プランは「JRで到着後、市駅周辺を拠点にする」のがおすすめ
