特急南風の運行概要や停車駅について、詳しく知りたいと考えている方はいませんか。本記事では、四国の主要な移動手段である南風号の主要停車駅と所要時間、さらには始発駅と終着駅に関する情報をご紹介します。
南風が停車する観光スポット最寄駅や、南風の運行本数とダイヤ概要、平日・休日の停車駅の違いについても解説します。一方で、他の特急列車との接続駅や、自由席・指定席の位置と車両構成といった、列車利用に際して気になる詳細情報も網羅的にご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 特急南風の運行ルートと停車駅が分かります
- 列車の種類と座席の選び方が理解できます
- 主要な乗り換え駅と接続路線が把握できます
- 沿線の観光地とアクセス方法が分かります
特急南風の運行概要や停車駅を知る

- 南風の運行本数とダイヤ概要
- 始発駅と終着駅
- 南風号の主要停車駅と所要時間
- 平日・休日の停車駅の違い
- 自由席・指定席の位置と車両構成
南風の運行本数とダイヤ概要
特急「南風」は、岡山と高知を結ぶ主要な列車として、現在1日あたり14往復運行されています。この高い頻度により、利用者は多様なスケジュールに合わせて移動することが可能です。
特に注目すべきは、2025年3月15日から導入される「パターンダイヤ」です。これは、より標準化された予測可能な発着時刻を目指すものです。この新しいダイヤは、主に多度津から琴平の区間に適用されます。
加えて、土佐山田から高知の区間では、午前9時から午後5時台にかけてパターンダイヤの適用時間が拡大されます。これにより、日中の高知方面への需要が高い時間帯において、利用者はより一貫したサービスを受けることができるでしょう。
岡山発高知行きの列車は午前7時8分から午後9時38分まで、高知発岡山行きの列車は午前6時から午後7時31分まで運行されており、利用者の利便性が確保されています。
始発駅と終着駅

特急「南風」の全ての列車は、岡山駅を始発・終着駅とし、高知駅を終着・始発駅とする区間で運行されています。この運行区間は、本州と四国を結ぶ重要な役割を担っています。
岡山駅を出発した南風は、まずJR西日本宇野線を走行し、その後、瀬戸大橋を含むJR西日本本四備讃線へと進みます。四国に入ると、JR四国本四備讃線、宇多津駅での短いJR四国予讃線区間を経て、最終的には山岳地帯を走るJR四国土讃線を通り、高知へと至るのが特徴です。
補足:かつては高松と中村(高知経由)を結ぶ路線として運行が開始されましたが、1988年の瀬戸大橋開通を機に、岡山発着へと運行区間が変更されました。これにより、山陽新幹線が発着する岡山駅と四国を結ぶ重要な動脈としての役割を確立しました。
南風号の主要停車駅と所要時間
特急「南風」は、主要都市と地域の中心地、そして観光地を結ぶため、その経路に沿って戦略的に停車駅が設けられています。以下に、岡山駅から高知駅までの主要な停車駅と、概ねの所要時間を示します。
駅名 (日本語) | 駅名 (ローマ字) | 走行路線 | 備考 |
---|---|---|---|
岡山 | Okayama | JR西日本 宇野線, JR西日本 本四備讃線 | 始発・終着駅、山陽新幹線主要乗換駅 |
児島 | Kojima | JR西日本 本四備讃線, JR四国 本四備讃線 | |
宇多津 | Utazu | JR四国 本四備讃線, JR四国 予讃線 | 2025年3月15日以降、併結運転なし |
丸亀 | Marugame | JR四国 予讃線 | |
多度津 | Tadotsu | JR四国 予讃線, JR四国 土讃線 | 2025年3月15日以降、併結運転なし |
善通寺 | Zentsūji | JR四国 土讃線 | |
琴平 | Kotohira | JR四国 土讃線 | 金刀比羅宮最寄駅 |
阿波池田 | Awa-Ikeda | JR四国 土讃線 | |
大歩危 | Ōboke | JR四国 土讃線 | 大歩危・小歩危渓谷最寄駅 |
大杉 | Ōsugi | JR四国 土讃線 | 一部列車のみ停車 (2025年3月15日より南風22号新規停車) |
土佐山田 | Tosa-Yamada | JR四国 土讃線 | |
後免 | Gomen | JR四国 土讃線 | |
高知 | Kochi | JR四国 土讃線 | 終着駅、特急あしずり乗換駅 |
岡山駅から高知駅までの所要時間は、約2時間30分から3時間程度です。列車の種類や停車駅の数によって、多少前後する場合があります。また、上記主要駅のほか、大元、備前西市、妹尾、備中箕島、早島、久々原、茶屋町、植松、木見、上の町、讃岐塩屋、金蔵寺、塩入、黒川、讃岐財田、坪尻、箸蔵、佃、三縄、祖谷口、阿波川口、小歩危、土佐岩原、豊永、大田口、土佐穴内、土佐北川、角茂谷、繁藤、新改、山田西町、土佐長岡、土佐大津、布師田、土佐一宮、薊野などの駅も運行区間内に存在しますが、特急列車としての停車は主要駅に絞られています。
平日・休日の停車駅の違い
前述の通り、特急「南風」は、平日と休日で基本的な運行本数やダイヤに大きな変更はありません。ただし、一部の例外として、大杉駅は一部列車のみが停車する駅として位置づけられています。
特に注目すべきは、2025年3月15日のダイヤ改正により、南風22号が大杉駅に新たに停車するという変更点です。この調整は、近くにある「杉の大スギ」へのアクセスを向上させることを目的としています。特定の列車が特定の駅に停車するという変更は、利用者の利便性向上や観光促進のために行われることがあります。
自由席・指定席の位置と車両構成

特急「南風」の全ての列車は、2021年3月13日までに導入が完了した最新の2700系気動車によって運行されています。この車両は、快適性と利便性を追求した設計が特徴です。
列車の基本編成は3両ですが、特に土曜日や休日など、乗客数の増加が見込まれる日には4~5両に増結されることもあります。これにより、繁忙期でも多くの乗客に対応できるようになっています。
2700系車両の全座席には、現代の旅行者のニーズに応えるため、モバイル用コンセントが設置されています。移動中にスマートフォンやノートパソコンなどのデバイスを充電できるため、長時間の移動でも安心して過ごせるでしょう。
補足:土讃線は山岳地帯を走行するため、多くの区間で携帯電話の電波が届きにくい状況があります。そのため、全席にモバイル用コンセントが設置されていることは、単なる利便性向上以上の意味を持ちます。電波が届かない区間でも、乗客は事前にダウンロードしたコンテンツを楽しむためにデバイスを充電でき、接続性の問題による不満を軽減できるメリットがあります。
この2700系車両の大きな特徴であり、特に家族連れの乗客に人気なのが「アンパンマン列車」としての運行です。多くの列車が、外装に鮮やかなアンパンマンキャラクターのラッピングを施し、1号車の普通車指定席には専用の「アンパンマンシート」が設けられています。これにより、子供たちだけでなく、大人も楽しめる特別な乗車体験が提供されています。

特急南風の運行概要や停車駅をさらに詳しく

- 他の特急列車との接続駅
- 南風が停車する観光スポット最寄駅
- 2025年3月ダイヤ改正のポイント
- 瀬戸大橋線走行時の車窓の見どころ
- JR四国2700系車両の快適性
- 特急南風の運行概要や停車駅まとめ
他の特急列車との接続駅
特急「南風」の利用において、主要な乗り換え駅と接続路線を理解することは、スムーズな旅行計画に不可欠です。
岡山駅(Okayama Station)
岡山駅は、山陽新幹線への乗り換え拠点として極めて重要な駅です。京都、大阪、広島、九州方面への旅行者は、ここで新幹線に乗り換えることでスムーズな移動が可能です。乗り換えには10~15分程度の時間が推奨されており、乗車券と新幹線・特急「南風」の特急券を事前に購入しておくことが円滑な乗り換えの鍵となります。
宇多津駅(Utazu Station)
宇多津駅は、かつて「南風」の併結運行における重要な拠点でした。2025年3月14日までは、一部の「南風」列車が岡山〜宇多津間で特急「うずしお」と、宇多津・多度津〜高知間で特急「しまんと」と併結運転を行っていました。
注意:2025年3月15日以降、全ての「南風」列車は「うずしお」および「しまんと」との併結運転を終了し、全区間単独で運行されるという大幅な運用変更が行われます。これにより、「南風」のサービスは大きく簡素化されます。
高知駅(Kochi Station)
全ての「南風」列車の終着駅である高知駅は、高知県南西部へさらに移動する乗客にとって主要な乗り換え駅となります。中村や宿毛といった方面へ向かう乗客は、高知駅で特急「あしずり」に乗り換える必要があります。この「系統分離」は、「南風」の運行を合理化するために実施され、「南風」は現在、岡山〜高知間のみの運行に統一されています。
南風が停車する観光スポット最寄駅
特急「南風」での旅は、単に目的地に到達するだけでなく、四国が誇る魅力的な自然景観と文化遺産を巡る没入型の体験を提供します。列車のルートは、多様な観光地への直接アクセスを可能にし、観光に最適な選択肢となっています。
金刀比羅宮(香川県)
「南風」の最寄駅は琴平駅です。金刀比羅宮は、本宮まで785段、奥社まで合計1368段という長い石段で知られる崇敬される神社です。晴れた日には、讃岐富士や瀬戸内海の壮大なパノラマビューを楽しむことができます。JR琴平駅から石段の入り口までは、徒歩で約15~20分とされています。神社の開門時間は午前6時から午後6時までです。
大歩危・小歩危(徳島県)
吉野川の激流によって削られたこれらのドラマチックな渓谷は、日本三大秘境の一つとして名高い場所です。列車自体もこの区間を縫うように走り、特に高知方面へ向かう際の右側の車窓からは、息をのむような絶景が広がります。ごつごつとした岩肌と激流が織りなす自然の造形美は、まさに圧巻です。
渓谷の地質学的驚異をさらに間近で体験したい場合は、約30分間の大歩危峡遊覧船クルーズがおすすめです。このクルーズでは、何百万年もの歳月をかけて形成された独特の岩の彫刻美を間近で観察できます。遊覧船の乗船場は「レストラン大歩危峡まんなか」のすぐ下に位置しています。JR大歩危駅からのアクセスは、通常徒歩で25~30分、または車・バスで5~20分です。
杉の大スギ(高知県)
大杉駅から徒歩約15分の場所には、「杉の大スギ」があります。この壮大な杉の木は、推定樹齢3,000年を誇る国の特別天然記念物です。強力なパワースポットとして崇められ、伝説の歌手、美空ひばりとのゆかりでも知られています。
高知市内(高知県)
高知駅は、高知県の活気ある県都への玄関口です。高知市内の主要な観光地には、現存天守が珍しい高知城、地元グルメ、特にカツオのタタキで賑わう屋内市場のひろめ市場、かつお船、美しい景観と坂本龍馬像で知られる桂浜や桂浜水族館、そして五台山竹林寺などがあります。これらの多くは、高知駅から路面電車やバスなどの公共交通機関で容易にアクセスできます。
2025年3月ダイヤ改正のポイント

2025年3月15日に実施されるダイヤ改正は、特急「南風」の運行に大きな変革をもたらします。これは主に、サービスの一貫性向上と運用の簡素化を目的としており、旅客体験とJR四国ネットワーク内での「南風」の役割を再定義することになるでしょう。
パターンダイヤの導入と拡大
主要な戦略的転換点として、「南風」にパターンダイヤが導入されました。これは、より規則的で予測可能な、標準化された発着時刻への移行を意味し、旅行計画の簡素化を通じて、通勤客と観光客双方の利便性を大幅に向上させることが期待されています。
具体的には、このパターンダイヤは多度津から琴平の区間に適用されます。さらに、土佐山田から高知の区間におけるパターンダイヤの適用時間が拡大され、9時から17時までをカバーするようになります。これは、需要の高い高知エリアにおいて、日中の大半の時間帯で一貫したサービスを提供するという方針を示しています。
併結運転の見直しと単独運転化
今回の改正で最も重要な変更点と言えるのが、2025年3月15日以降、「南風」が特急「しまんと」および「うずしお」との全ての併結運転を終了したことです。これにより、全ての「南風」は全区間単独で運行されることになります。これまで宇多津や多度津などの駅で行われていた、複雑で時間を要する併結・解放作業が「南風」からはなくなりました。
「うずしお」や「しまんと」との併結が終了した直接的な結果として、繁忙期に時折見られた2700系8両編成の運行も終了しました。
この変更はダイヤの乱れを抑制し、より安定した運行を実現するために必要な判断だと考えます。一部乗り換えが必要になる区間もありますが、全体としては信頼性が向上するでしょう。
大杉駅への新規停車
アクセス性向上の具体的な取り組みとして、南風22号が大杉駅に新たに停車するようになります。この変更は、近くにある「杉の大スギ」という重要な自然・精神的ランドマークへのアクセスを直接的に改善するものです。JR四国が、運行効率だけでなく、地域観光の振興にも引き続きコミットしている姿勢を示しています。
瀬戸大橋線走行時の車窓の見どころ

特急「南風」での旅は、車窓からの眺めも大きな魅力です。特に以下の区間では、息をのむような絶景を楽しむことができます。
瀬戸大橋(Seto Ohashi Bridge)
瀬戸大橋を渡る区間は、旅のハイライトの一つです。この壮大な橋からは、絵のように美しい瀬戸内海と無数の島々が織りなす広大な景色が広がり、乗客を魅了します。天候が良い日には、遠くまで見渡すことができるでしょう。
吉野川(Yoshino River)
「南風」が土讃線の山岳区間を走行する際、特に大歩危・小歩危渓谷では、雄大な吉野川に沿って進みます。列車からは、川の急流や、長年にわたって削られた独特の岩の造形美を間近に見ることができます。高知方面へ向かう列車では、一般的に右側の座席から吉野川の眺めが優れているとされています。
穴内川(Ananai River)
大田口駅を過ぎた後、列車は一時的に吉野川本流を離れ、より狭い穴内川に沿って進みます。ここでは、吉野川とは異なる趣の、独特で美しい渓谷の風景を楽しむことができます。
JR四国2700系車両の快適性
特急「南風」の全ての列車に導入されているJR四国の2700系気動車は、乗客に快適な旅を提供するための様々な特徴を備えています。
まず、全座席にモバイル用コンセントが設置されている点が挙げられます。これは、現代のデジタルデバイス利用が多い旅行者にとって非常に便利です。移動中にスマートフォンやタブレットの充電切れを心配することなく、動画視聴や作業が可能です。
また、多くの列車で運行されている「アンパンマン列車」は、特に小さなお子様連れの家族に大変喜ばれています。外装の鮮やかなラッピングだけでなく、1号車の普通車指定席に設けられた「アンパンマンシート」は、子供たちの旅を特別なものにしてくれるでしょう。
そして、2700系車両への統一は、運行性能の一貫性にも寄与しています。統一された車両は、保守が容易であり、加速性能や最高速度といった運行特性が一貫しているため、精密なダイヤ設定を乱す可能性のある運用上の問題が起こりにくくなります。この車両の一貫性が、より厳密なスケジュール管理とダイヤへの順守を可能にしていると言えるでしょう。
もちろん、土讃線の山岳地帯を走行する際には、カーブが多く、列車が揺れることがあるという声も聞かれます。しかし、そうした環境下でも、モバイル用コンセントの設置や快適な座席空間の提供は、旅の満足度を高めることに繋がると考えられます。
特急南風の運行概要や停車駅まとめ
特急南風の運行概要や停車駅について、本記事で解説した内容をまとめました。
- 特急南風は岡山と高知を結ぶ主要な列車である
- 1972年に運行を開始し、1988年の瀬戸大橋開通で岡山発着に変更された
- 現在、1日14往復運行されており、2700系気動車が使用されている
- 2025年3月15日より「パターンダイヤ」が導入され、時刻が標準化される
- アンパンマン列車としても運行されており、1号車にアンパンマンシートがある
- 全座席にモバイル用コンセントが設置されている
- 岡山、児島、宇多津、丸亀、多度津、善通寺、琴平、阿波池田、大歩危、大杉、土佐山田、後免、高知が主要停車駅である
- 大杉駅は一部列車のみ停車し、2025年3月15日からは南風22号も新規停車する
- 岡山駅は山陽新幹線への主要な乗り換え駅である
- 2025年3月15日以降、しまんと・うずしおとの併結運転は全て終了し、単独運行となる
- 高知駅で特急あしずりに乗り換えることで、高知県南西部へ移動できる
- 瀬戸大橋、吉野川、穴内川沿いの車窓は特に見どころが多い
- 金刀比羅宮、大歩危・小歩危、杉の大スギ、高知市内などが沿線の主要観光地である