特急南風で運行されるアンパンマン列車は、子どもとの旅行で特別な思い出を作りたい家族にとって、まさに夢のような乗り物です。しかし、その人気の高さから「予約方法とチケット購入のポイントが分からない」「失敗や後悔なく楽しみたい」と考える方も少なくありません。
この記事では、アンパンマン列車の運行区間や時刻と運行本数といった基本情報から、特急南風で乗れるアンパンマン車両の魅力、子どもに人気の座席や設備の詳細、そして多くの人が気になる自由席でもアンパンマンに乗れるのかという疑問まで、あらゆる情報を網羅的に解説します。
さらに、車内のアンパンマンデザインの隅々、見逃せない車内限定のアンパンマングッズ、絶景が広がる土讃線でのアンパンマン列車の魅力、そして親子で満喫する南風アンパンマン列車の楽しみ方に至るまで、あなたの旅を完璧にするための知識を全て提供します。
- アンパンマン列車の車両や運行ルートなどの基本情報
- 予約困難なアンパンマンシートを確保するための方法とコツ
- 子ども連れに嬉しい車内設備や旅を彩る楽しみ方の全て
- 乗車前に知っておくべき自由席の利用や注意点
特急南風アンパンマン列車の基本情報
- 特急南風で乗れるアンパンマン車両の種類
- アンパンマン列車の運行区間は岡山から高知
- アンパンマン列車の時刻と1日の運行本数
- 絶景が広がる土讃線でのアンパンマン列車の魅力
- 隅々までこだわった車内のアンパンマンデザイン
まず最初に、特急「南風」で活躍するアンパンマン列車の基本的な情報を確認していきましょう。どのような車両があり、どこを走り、いつ会えるのかを知ることが、計画の第一歩となります。
特急南風で乗れるアンパンマン車両の種類

特急「南風」として運行されるアンパンマン車両には、「あかいアンパンマン列車」と「きいろいアンパンマン列車」の2種類が存在します。どちらも最新型の2700系気動車をベースにしており、力強い走りと静かで快適な乗り心地を両立させています。
あかいアンパンマン列車は「太陽」や「南国のフルーツ」をイメージした元気なデザイン、一方のきいろいアンパンマン列車は「柑橘類」や「菜の花」をモチーフにした明るく楽しいデザインが特徴です。車体に描かれているキャラクターの配置もそれぞれ異なり、どちらに乗れるかという楽しみもあります。
これらの車両は毎日交互に運行されるため、どちらの色の列車に乗車できるかは当日の運行スケジュール次第です。JR四国の公式サイトでは運行カレンダーが公開されていますので、特にデザインにこだわりたい方は、事前にチェックすることをおすすめします。
アンパンマン列車の運行区間は岡山から高知

アンパンマン列車が走る特急「南風」の主な運行区間は、本州の玄関口である岡山駅から、四国の高知県にある高知駅までです。このルートの最大の魅力は、瀬戸内海をダイナミックに横断する壮大な瀬戸大橋を渡る点にあります。
車窓からは、穏やかな海に浮かぶ島々の美しい景色が広がります。四国へ上陸した後は、進路を南へと変え、四国山地を縫うように走ります。約2時間半から3時間の乗車時間で、都市の風景から海の絶景、そして緑豊かな山の景色へと、変化に富んだ日本の美しい風景を存分に楽しむことが可能です。
アンパンマン列車の時刻と1日の運行本数
アンパンマン車両で運行される特急「南風」は、毎日決まった便が設定されており、限られた本数での運行となります。そのため、旅行の計画を立てる際は、利用したい便がアンパンマン車両で運行されるかどうかを正確に確認することが不可欠です。
定期運行列車
アンパンマン車両で毎日運行されるのは、以下のダイヤです。(2025年9月1日現在)
「あかい」と「きいろい」が、AパターンとBパターンで毎日交互に運転しています。
Aパターン
列車名 | 出発駅 | 出発時刻 | 到着駅 | 到着時刻 |
南風2号 | 高知 | 06:00 | 岡山 | 08:38 |
南風3号 | 岡山 | 08:52 | 高知 | 11:30 |
南風14号 | 高知 | 12:13 | 岡山 | 14:41 |
南風15号 | 岡山 | 15:05 | 高知 | 17:41 |
南風26号 | 高知 | 18:38 | 岡山 | 21:12 |
南風27号 | 岡山 | 21:38 | 高知 | 00:06 |
Bパターン
列車名 | 出発駅 | 出発時刻 | 到着駅 | 到着時刻 |
南風6号 | 高知 | 08:01 | 岡山 | 10:33 |
南風7号 | 岡山 | 11:05 | 高知 | 13:39 |
南風18号 | 高知 | 14:13 | 岡山 | 16:41 |
南風19号 | 岡山 | 17:05 | 高知 | 19:44 |
※時刻は変更される場合があります。最新の情報はJR四国公式サイトでご確認ください。
臨時運行列車
上記に加えて、土曜日や休日、長期休暇などの繁忙期には、臨時便が追加でアンパンマン車両で運行されることがあります。週末の旅行を計画している場合は、これらの臨時便も選択肢に入れると良いでしょう。
絶景が広がる土讃線でのアンパンマン列車の魅力

この列車の旅のハイライトの一つが、四国山地を越える土讃線区間で楽しめる渓谷美です。特に徳島県の大歩危(おおぼけ)・小歩危(こぼけ)峡周辺では、列車は蛇行する吉野川に沿って走行し、車窓のすぐそばまで迫る美しい自然景観が広がります。
座席の位置によっては、エメラルドグリーンに輝く川の流れや、長い年月をかけて削られたごつごつとした岩肌を間近に感じることが可能です。この絶景をより一層満喫するためには、座席の選択が鍵となります。
隅々までこだわった車内のアンパンマンデザイン

アンパンマン列車の真の魅力は、外装だけではありません。一歩車内に足を踏み入れると、そこはアンパンマンとその仲間たちが暮らす世界が広がっています。
特に、後述する指定席車両である1号車は圧巻です。座席のヘッドカバーやカーテン、天井、さらには床に至るまで、あらゆる場所がアンパンマンたちのイラストで埋め尽くされています。それだけでなく、客室へと続くデッキの壁面や、トイレ、多目的室の内部にもキャラクターたちが描かれており、列車全体がひとつのテーマパークのように設計されています。どこを見ても新しい発見があり、子どもたちを飽きさせない工夫が随所に凝らされています。
特急南風アンパンマン列車の予約と乗車ガイド
- 子どもに人気の座席や便利な設備を紹介
- 予約方法とチケット購入の重要なポイント
- 自由席でもアンパンマン列車に乗れるのか解説
- 見逃せない車内限定のアンパンマングッズ
- 親子で満喫する南風アンパンマン列車の楽しみ方
- 特急南風アンパンマンで最高の思い出を
ここからは、実際にアンパンマン列車に乗るための具体的な方法や、旅をさらに豊かにするためのポイントを解説します。特に座席の予約は、この旅の成否を分ける最も重要なステップと言えるでしょう。
子どもに人気の座席や便利な設備を紹介

この列車の最大の目玉は、1号車にわずか24席だけ設けられた「アンパンマンシート」です。虹をテーマにしたカラフルな座席は、座るだけで心が躍るような特別な空間になっています。
アンパンマンシートの特別な仕掛け

アンパンマンシートの魅力は、ただデザインが可愛いだけではありません。
座席の背面テーブルを開くとキャラクターが現れたり、窓のカーテンを閉めると別のイラストが見えたりと、子どもを飽きさせない遊び心あふれる仕掛けが満載です。
自分の席の周りを探検するだけでも、楽しい時間が過ぎていくことでしょう。
家族旅行に嬉しい実用的な設備
アンパンマン列車は、夢のような空間を提供するだけでなく、ファミリー層にとって非常に実用的な設備も充実させています。全座席にはモバイル用のAC100Vコンセントが完備されており、スマートフォンの充電切れの心配がありません。
また、授乳やおむつ交換に利用できる鍵付きの多目的室や、荷物が多くなりがちな家族旅行に配慮したベビーカー置き場も確保されています。旧型の車両に比べて走行音も格段に静かになっており、お昼寝中の子どもを起こすことなく、快適な移動が可能です。
予約方法とチケット購入の重要なポイント

アンパンマンシートの予約は、乗車日の一ヶ月前の午前10時から、全国のJR駅にある「みどりの窓口」やインターネット予約サービスで一斉に開始されます。非常に人気が高く、特に週末や長期休暇の便は発売開始と同時に満席になることも珍しくありません。
予約成功のための最重要ポイント
予約手続きで最も大切なのは、「アンパンマンシート」と明確に指定することです。
- みどりの窓口の場合: 駅係員に「特急南風〇号のアンパンマンシートをお願いします」とはっきりと伝えてください。
- ネット予約(e5489など)の場合: 列車を検索する際、通常の「南風」とは別に「南風(アンパンマン)」のように表示される便を選択します。これを選ぶと、アンパンマンシート専用の座席表(シートマップ)から空席を選んで予約できます。
ただ「南風の指定席」と予約しただけでは、アンパンマンシートではない一般の座席が割り当てられてしまうため、この点はくれぐれも注意が必要です。料金は通常の指定席特急料金と同じで、特別な追加料金はかからないのも嬉しいポイントです。

自由席でもアンパンマン列車に乗れるのか解説

アンパンマン車両で運行される特急「南風」には、指定席のほかに自由席も連結されています。したがって、自由席特急券を購入すれば、予約なしでアンパンマン列車に乗車すること自体は可能です。
ただし、ここで大きな注意点があります。前述の通り、アンパンマンのデザインが施された特別な内装は、基本的に指定席車両である1号車の「アンパンマンシート」とその周辺に限られます。自由席の車両は、内装が通常の特急列車とほとんど変わらない一般的な座席です。
そのため、自由席を利用した場合、ホームで見る外装はアンパンマン列車でも、車内ではアンパンマンの世界観をほとんど感じられない可能性があります。列車の中までアンパンマンの世界を存分に味わいたいのであれば、やはり指定席、特に「アンパンマンシート」の予約が欠かせません。

アンパンマン列車の自由席でも、車内自動音声アナウンスは「ボク、アンパンマン!」バージョンで流れます。

見逃せない限定のアンパンマングッズ

旅行の記念にグッズを購入したいと考える方も多いでしょう。しかし、残念ながら特急「南風」を含むJR四国の多くの特急列車では、ワゴンによる車内販売サービスはすでに終了しています。そのため、アンパンマン列車の車内で限定グッズなどを購入することはできません。飲み物やお菓子なども、乗車前に駅の売店などで準備しておく必要があります。
食事やお土産の代替案
車内でグッズは買えませんが、旅の楽しみは他にもあります。高知駅などの主要駅では、アンパンマンの顔をかたどった容器が可愛らしい「アンパンマン弁当」が販売されています。人気が高く売り切れることも多いため、事前に電話などで予約しておくと安心です。
また、もし旅程に余裕があれば、週末を中心に運行される観光列車「瀬戸大橋アンパンマントロッコ」への乗車も検討してみてください。こちらの列車には専用の売店カウンターがあり、オリジナルのタオルやTシャツといった限定グッズを購入できます。
親子で満喫する南風アンパンマン列車の楽しみ方

アンパンマン列車の楽しみは、乗車中の時間だけにとどまりません。旅の前後にも様々な仕掛けが用意されており、一日を通してアンパンマンの世界に浸ることが可能です。
駅で楽しむアンパンマンの世界

旅の起点または終点となる高知駅や高松駅には、列車を待つ時間も楽しく過ごせる「アンパンマン列車ひろば」が設置されています。
四国の風景の中をアンパンマン列車が走る巨大なジオラマや、キャラクターと並んで写真が撮れる記念撮影コーナーなどがあり、乗車への期待感を高めてくれます。
冒険気分を味わえるスタンプラリー
毎年春から秋にかけて開催される「アンパンマン列車スタンプラリー」は、多くの家族連れに人気の恒例イベントです。アンパンマン列車の車内や四国の主要駅に設置されたスタンプを集めて応募すると、抽選で素敵な賞品が当たります。子どもたちに「スタンプを集める」という目的ができることで、鉄道の旅がより一層楽しい冒険に変わるでしょう。
特急南風のアンパンマンで最高の思い出を
特急南風アンパンマン列車は、単に移動するための手段ではなく、それ自体が忘れられない体験となる特別な乗り物です。最後に、この旅を最高のものにするための要点をまとめました。
- 車両は「あかい」と「きいろい」の2種類
- どちらが走るかは当日の運行カレンダーで確認
- 主な運行区間は岡山駅と高知駅の間
- 瀬戸大橋や大歩危・小歩危峡など車窓の景色も魅力
- 毎日運行される定期便は上下各3本
- 週末や繁忙期には臨時便の運行もある
- 車内は1号車指定席が特別なアンパンマンデザイン
- デッキやトイレなど隅々までキャラクターでいっぱい
- 目玉は24席限定の「アンパンマンシート」
- 予約は乗車日1ヶ月前の午前10時から
- 予約時は「アンパンマンシート」と明確に指定することが必須
- 自由席も連結されているが内装は一般的
- 車内販売はないため飲食物は事前に購入
- 駅の「アンパンマン列車ひろば」も必見スポット
- スタンプラリーに参加して旅をさらに楽しむ