特急しおかぜの利用を検討している方の中には、「特急しおかぜは揺れる」という評判が気になっている方も多いのではないでしょうか。瀬戸大橋を渡るときの揺れ、山間部のカーブと揺れの関係など、具体的な区間や状況について知りたいという方もいるかもしれません。
また、車両の構造と揺れの関係、他の特急列車との揺れ比較、揺れやすい区間や揺れを感じやすい座席位置、揺れ対策におすすめの席といった情報や、子ども連れでの揺れ対策、酔いやすい人への工夫、揺れを軽減する時間帯の選び方についても知っておきたいと思うのは当然のことです。
この記事では、特急しおかぜの揺れの主な原因を、車両の技術と路線の特性という二つの側面から解説します。この記事を読めば、特急しおかぜの揺れに関する疑問が解消し、快適に列車旅を楽しむための対策もきっと見つかるでしょう。
- 特急しおかぜが揺れる原因とその理由
- 揺れを軽減するための具体的な座席選び
- 路線や時間帯による揺れの感じ方の違い
- 乗車前にできる酔い対策や準備
特急しおかぜが揺れるのはなぜ?車両の技術と路線の関係
- 車両の構造と揺れの関係
- 他の特急列車との揺れ比較
- 山間部のカーブと揺れ
- 瀬戸大橋を渡るときの揺れ
- しおかぜの揺れやすい区間
車両の構造と揺れの関係

特急しおかぜの乗り心地は、使用されている車両の技術的な特徴に大きく左右されます。現在運行されている主な車両は8600系と8000系ですが、これらはそれぞれ異なる車体傾斜機構を採用しており、これが揺れの感じ方に違いを生んでいるのです。
8600系は、JR四国が初めて導入した空気ばね式車体傾斜機構を備えています。このシステムは、カーブに差し掛かる前に台車上部の空気ばねの圧力を調整し、車体を傾けて遠心力を相殺する仕組みです。構造が比較的シンプルでメンテナンスがしやすいという利点があります。しかし、空気圧の制御には応答性に関する課題があり、特に連続するカーブでは制御が追いつかず、不自然な揺れとして感じられる可能性があるようです。また、傾斜角が最大2度程度と振子式に比べて小さいため、急カーブでは遠心力を完全に打ち消しきれず、外側に振られる感覚を覚える人もいるようです。
一方、8000系は振子式車体傾斜装置を採用しています。この方式は、カーブで発生する遠心力を利用して自然に車体を傾けるのが特徴です。最大5度以上という大きな傾斜角が実現できるため、予讃線のような急カーブが続く区間でも高い速度を維持できます。ただし、そのダイナミックな動きは乗客に揺れとして体感されやすく、特に線路の状態によっては振動が大きくなることもあります。
他の特急列車との揺れ比較

特急しおかぜの揺れについて、他の特急列車と比較すると、その特性がより明確になります。例えば、JR西日本の特急「サンダーバード」や「こうのとり」は、同じく振子式車両を使用していますが、路線が電化されており、線路の状態も比較的良好な区間が多いため、しおかぜに比べて揺れが少ないと感じる乗客もいます。
ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、車両の形式や路線によって乗り心地は異なります。例えば、同じJR四国の特急列車でも、新しく導入された2700系は、制御付き自然振子式を採用し、高い曲線通過性能と乗り心地の両立を図っています。これらの車両の乗り心地は、8600系や8000系とまた異なる感覚かもしれません。
このように、揺れの感じ方は車両の技術だけでなく、走行する路線や運転方法など、さまざまな要因が複雑に絡み合って生じるものです。
山間部のカーブと揺れ

特急しおかぜが走行する予讃線は、愛媛県内の山間部や海岸線に沿って急なカーブが連続する区間があります。これらの区間では、特に揺れを感じやすくなります。
特に、伊予亀岡から伊予北条間には半径200mという急カーブが存在し、これは振子式車両の性能が最大限に発揮されるように設計された区間です。8000系のような振子式車両は、この急カーブを高速で通過するために車体を大きく傾けますが、これが乗客には大きな揺れとして体感されます。一方、空気ばね式車体傾斜機構の8600系は、振子式に比べて傾斜角が小さいため、遠心力を打ち消しきれず、横に振られるような感覚を覚えることがあります。

瀬戸大橋を渡るときの揺れ

特急しおかぜが運行される瀬戸大橋線は、瀬戸大橋を渡ることで知られています。この区間は一般的に線形が良好なため、大きなカーブがなく、車両の揺れは比較的少ない傾向にあります。
しかし、強風時には速度制限が設けられることがあり、風による影響で揺れを感じることがあります。また、橋梁を通過する際には、構造物の継ぎ目による軽微な縦揺れや振動が発生する可能性もあります。ただし、これらは一時的なもので、山間部のカーブ区間のような継続的な揺れとは異なります。
しおかぜの揺れやすい区間

特急しおかぜの揺れを特に感じやすい区間は、主に愛媛県内の予讃線です。特に、松山から今治にかけての区間は、リアス式海岸に沿ってカーブが連続するため、揺れが顕著になることが多いです。具体的には、浅海から大浦間や、伊予亀岡から伊予北条間などが挙げられます。
これらの区間では、車両の車体傾斜機構が頻繁に作動し、遠心力に対抗しようとします。振子式車両の場合は、車体の傾斜動作が繰り返され、独特の揺れが生じます。空気ばね式車両の場合は、傾斜制御が連続して行われるため、制御の特性に起因する不自然な揺れを感じることがあります。

個人的な感覚では8000系は比較的、揺れは少なく感じます。
8600系では、特にポイントを高速で通過する時の横揺れを感じます。
特急しおかぜが揺れる問題を解決!快適に乗車するコツ
- 揺れを軽減する時間帯の選び方
- 揺れを感じやすい座席位置
- 揺れ対策におすすめの席
- 酔いやすい人への工夫
- 子ども連れでの揺れ対策
- まとめ:特急しおかぜが揺れる理由と快適に乗る方法
揺れを軽減する時間帯の選び方

特急しおかぜの揺れは、時間帯によって感じ方が変わることがあります。これは、運行ダイヤや運転方法が影響するためです。例えば、乗客が少ない時間帯では、運転士が急な加減速を避けて運転する傾向があるため、比較的揺れが少ないと感じられるかもしれません。しかし、明確な統計があるわけではありません。
もし、揺れをできるだけ避けたいのであれば、早朝や夜間など、乗客が少ない時間帯の便を狙ってみるのも一つの手です。もちろん、これはあくまで可能性の一つであり、全ての列車で揺れが少ないわけではないことを理解した上で検討してください。

これについては、運転士さんの技量による所も大きいかなと思います。
揺れを感じやすい座席位置

揺れは、車両の進行方向や座席の位置によって感じ方が大きく異なります。一般的に、揺れを感じやすいとされる座席位置は以下の通りです。
車両の先頭や後方の座席
列車の加減速やカーブでの揺れは、車両の端に行くほど大きくなる傾向があります。これは、車両の重心が中心にあるため、端の部分は揺れが増幅されるためです。
窓側の座席
カーブ通過時には、車体外側に振られるような遠心力がかかります。この遠心力は、窓側の座席に座っている人の方が強く感じることが多いです。

揺れ対策におすすめの席

揺れをできるだけ避けたい場合は、車両の中心付近にある通路側の座席を選ぶのがおすすめです。
車両の中心付近
車両の重心に最も近い場所であるため、揺れが最も少ないとされています。特に、グリーン車や指定席であれば、座席の選択肢も多いため、この位置の座席を確保できる可能性が高いです。
通路側の座席
カーブで外側に振られる遠心力を感じにくいため、揺れに弱い人におすすめです。窓の外の景色は楽しみにくいですが、乗り心地を優先するなら最適な選択と言えます。

酔いやすい人への工夫
特急しおかぜの旅を楽しむために、乗り物酔いをしやすい人は、事前の準備や乗車中の工夫をすることで揺れによる不快感を軽減できます。まず、乗車前に酔い止め薬を服用しておくのが最も効果的な方法の一つです。
また、乗車中はスマートフォンや本を見続けることを避け、遠くの景色を眺めるように意識すると良いでしょう。遠くの景色に焦点を合わせることで、視覚から入る情報と平衡感覚のズレを減らすことができます。さらに、空腹や満腹の状態を避け、消化の良いものを適度に摂ることも大切です。
子ども連れでの揺れ対策

子どもを連れて特急しおかぜに乗車する場合、揺れ対策は特に重要です。子どもは大人よりも乗り物酔いをしやすい傾向があるため、事前の準備が鍵となります。
まず、前述の通り、揺れが少ない車両の中心付近の座席を確保するようにしてください。可能であれば、窓側ではなく通路側の席を予約すると、揺れが軽減されて子どもがより快適に過ごせます。また、長時間座っていると飽きてしまうため、好きな絵本やおもちゃを用意しておくと良いでしょう。
さらに、万が一子どもが気分を悪くした場合に備え、酔い止め薬やビニール袋、ウェットティッシュなどを手荷物として用意しておくことが大切です。飲み物も、炭酸飲料は胃を刺激することがあるため、水やお茶などを用意しておくのがおすすめです。
まとめ:特急しおかぜが揺れる理由と快適に乗る方法
この記事では、特急しおかぜが揺れる原因と、その対策について詳しく解説しました。以下に、記事の要点をまとめます。
- 特急しおかぜの揺れは、8600系と8000系の異なる車体傾斜機構に起因する
- 8600系は空気ばね式、8000系は制御付自然振子式を採用している
- 振子式車両は、自然な傾斜で高い曲線通過性能を持つが、揺れが大きく感じられやすい
- 空気ばね式車両は、構造がシンプルだが、傾斜角が小さく、特有の揺れを生じやすい
- 予讃線の山間部にある急カーブ区間は特に揺れを感じやすい
- 瀬戸大橋上では、風の影響や構造物の継ぎ目による揺れが発生することがある
- 揺れを軽減するには、車両の中心付近にある通路側の座席がおすすめ
- 乗車前に酔い止め薬を服用したり、遠くの景色を見たりする工夫が有効
- 子ども連れの場合は、事前の座席選びや準備が特に重要
- 8000系はリニューアルにより、以前より乗り心地が改善されている
- 運転士の運転操作や線路の状態も揺れの感じ方に影響を与える