「特急うずしおに乗りたいけど、駅で特急券を買う時間がない」「うっかり特急券を買い忘れた場合の対応はどうすればいい?」など、特急うずしおの特急券を車内で購入する方法について、疑問や不安を抱えていませんか。
急いでいる時や不慣れな状況で失敗や後悔をしないためにも、正しい知識は不可欠です。この記事では、特急うずしおの車内で特急券を購入する際の全ての情報を網羅的に解説します。
具体的には、車内での特急券購入方法や車掌からの特急券購入手順、気になる車内改札と検札の流れを詳しく説明します。さらに、車内販売での特急券の扱い、事前購入との料金の違い、車内精算で使える支払い方法、そして車内購入時の座席指定についてのルールも明らかにします。この記事を読めば、車内で購入する際の注意点を完全に理解し、車内で特急券を買うメリット・デメリットを踏まえた上で、状況に応じた最善の選択ができるようになります。
- 車内で特急券を購入する際の具体的な手順
- 利用できる支払い方法と料金に関するルール
- 座席の確保(自由席・指定席)に関する重要な制約
- 事前購入と比較した際のメリットとデメリット
特急うずしおの特急券を車内購入する基本

- 基本的な車内での特急券購入方法
- 具体的な車掌からの特急券購入手順
- 乗車後の車内改札と検札の流れ
- 車内販売での特急券の扱いとは?
- うっかり切符を忘れた場合の対応
基本的な車内での特急券購入方法
特急うずしおに乗車する際は、駅の窓口や券売機であらかじめ特急券を購入する「事前購入」が原則です。しかし、無人駅から乗車する場合や、窓口の営業時間外など、やむを得ない事情で特急券を持たずに乗車することもあるかもしれません。
このような状況に対応するため、特急うずしおでは車内で特急券を購入することが認められています。
車内で購入する際の基本的な流れは非常にシンプルです。まず、特急券を持っていない場合は、必ず「自由席」の車両に乗車し、空いている席に着席してください。指定席車両の空席に座ることはできません。乗車後、車内を巡回してくる車掌に、特急券を持っていない旨を自ら申し出るのが正しい手順となります。

具体的な車掌からの特急券購入手順

車内で特急券を購入する手続きは、車掌との円滑なコミュニケーションが鍵となります。具体的な手順を理解しておけば、慌てることなくスムーズに購入できます。
- 車掌への申し出乗車後は、車掌が車内を巡回してくるのを待つか、可能であれば自ら車掌室などに向かい、「特急券を購入したい」と伝えます。その際、どこから乗車し、どの駅で降車するのかを明確に告げてください。
- 料金の精算車掌が乗車区間に基づいて特急料金を計算します。提示された金額を、利用可能な支払い方法(現金またはQRコード決済)で支払います。支払い方法の詳細は後ほど詳しく解説します。
- 車内補充券の受領支払いが完了すると、車掌が携帯端末から「車内補充券」と呼ばれるきっぷを発行して手渡します。これが正規の特急券の代わりとなります。この車内補充券は、降車する駅の改札を出るまで大切に保管してください。
このように、手順自体は決して複雑ではありません。重要なのは、乗客側から正直に、そして積極的に申し出ることです。
乗車後の車内改札と検札の流れ

特急列車では、乗客が正しい乗車券類を所持しているかを確認するため、車掌による車内改札(検札)が行われます。車内で特急券を購入する場合、この検札の流れを理解しておくことが大切です。
乗車後、しばらくすると車掌が各座席を巡回してきます。特急券をまだ購入していない場合は、このタイミングが車掌に申し出る絶好の機会です。「特急券を持っていません」と伝え、購入の意思を示してください。
もし、車掌がなかなか来ない場合や、降車駅が近い場合は、座席で待つのではなく、自ら車掌を探しに行くことをお勧めします。車両の連結部分にある車掌室を訪ねるのが最も確実な方法です。
無事に車内補充券を購入した後は、そのきっぷが検札の際の証明となります。再度車掌が巡回してきた際には、座席のテーブルなど、確認しやすい場所にきっぷを提示しておくとスムーズです。購入した車内補充券は、最終目的地で改札を出る際に駅係員に渡す必要があるため、紛失しないように注意しましょう。

車内販売での特急券の扱いとは?
車内で車掌から購入する特急券は、駅の券売機で発券される磁気タイプのきっぷとは少し異なります。これは「車内補充券」と呼ばれ、車内での運賃・料金精算のために特別に用意されたものです。
この車内補充券には、いくつか重要な特徴があります。
第一に、車内で購入できるのは、基本的に割引が適用されない正規料金の特急券のみです。インターネット予約サービス「e5489」などで提供されている割引率の高い「トクトクきっぷ」のような特別企画乗車券は、車内では一切購入できません。これらのきっぷは、必ず乗車前に指定された場所で購入する必要があります。
第二に、車内補充券は、新規に特急券を購入する場合だけでなく、乗り越し精算や乗車区間の変更など、車内で発生するあらゆる運賃・料金の支払いに使用される汎用的なきっぷです。そのため、券面には手書きや携帯端末による印字で、区間や料金が記録されます。
このように、車内販売の特急券は、あくまで正規料金での利用が前提となる例外的な措置と理解しておくことが肝心です。
うっかり切符を忘れた場合の対応

事前に特急券を購入したにもかかわらず、自宅や職場などに「うっかり忘れてきてしまった」というケースも考えられます。この場合の対応は、車内で新規に購入するのとは少し異なりますので注意が必要です。
JRの規則では、きっぷを紛失したり忘れたりした場合は、乗車区間に必要な同じきっぷをもう一度購入し直すのが原則となっています。
そのため、特急券を忘れたことに気づいたら、まず車内で車掌にその旨を正直に申し出てください。車掌の指示に従い、乗車している区間の特急券を再度、正規料金で購入することになります。この際、再購入したきっぷには「紛失再」や「事由あり」といった証明を記載してもらうことが重要です。
そして、後日、忘れてきた元のきっぷが見つかった場合、その「元のきっぷ」と「再購入したきっぷ」の両方を1年以内にJRの駅窓口へ持って行くと、再購入したきっぷの代金から所定の手数料を差し引いた額が払い戻されます。
手間と一時的な金銭的負担はかかりますが、この手続きを知っていれば、万が一の場合でも冷静に対処できるはずです。

特急うずしおの特急券を車内購入する注意点
- 車内精算で使える支払い方法まとめ
- 気になる事前購入との料金の違い
- 車内購入時の座席指定について解説
- 車内で特急券を買うメリット・デメリット
- その他、車内で購入する際の注意点
- 特急うずしおで特急券を車内購入する総括
車内精算で使える支払い方法まとめ

特急うずしおの車内で特急券を購入する際、利用できる支払い方法は限定されています。事前に把握しておかないと、いざという時に困る可能性があるため、しっかりと確認しておきましょう。
利用できる支払い方法
車内で利用できる決済手段は、以下の2種類のみです。
- 現金従来からの基本的な支払い方法であり、最も確実な手段です。通信状況などに左右されることがないため、少額の現金は常に用意しておくと安心できます。
- QRコード決済JR四国では、2024年4月1日から車内でのQRコード決済を導入しました。利用可能なサービスは「PayPay」「d払い」「au PAY」「楽天ペイ」の4種類です。スマートフォンさえあれば支払いが完了するため、非常に便利です。
利用できない支払い方法
一方で、以下の支払い方法は車内では一切利用できません。
- クレジットカード駅の窓口や券売機では広く利用できますが、車内での精算には対応していません。
- 交通系ICカード(ICOCAなど)ICOCAなどの交通系ICカードのチャージ残高を使って、車内で特急券を購入することはできません。これらは改札の入出場記録には使えますが、車内での料金支払いには使えないと覚えておきましょう。
QRコード決済は便利ですが、トンネル内や山間部など電波の届かない区間では利用できない場合があります。また、スマートフォンのバッテリー切れやアプリの不具合時も使えません。このような状況に備え、現金も準備しておくのが賢明な対策と言えます。

気になる事前購入との料金の違い

「車内で特急券を買うと、駅で買うより高くなるのでは?」と心配される方もいるかもしれません。料金体系について、正確に理解しておきましょう。
結論から言うと、特急うずしおの場合、車内で特急券を購入しても、駅の窓口や券売機で購入する正規料金と基本的に同額です。JR東日本の一部の特急列車のように、車内購入時に割増料金が上乗せされるようなペナルティ的な制度は、JR四国にはありません。
ただし、注意すべき点が一つあります。それは、インターネット予約サービス「e5489」などで提供されている、さまざまな割引が一切適用されないという点です。
例えば、「e5489」を利用して事前に予約すれば、通常より安価な「e5489専用トク割きっぷ」などを利用できる場合があります。車内購入では、これらの割引の恩恵を全く受けられず、必ず正規料金での支払いとなります。
したがって、料金が「割増」されるわけではありませんが、事前購入で得られたはずの「割引」の機会を失うことになります。結果として、事前購入に比べて支払う金額が高くなるケースがほとんどである、と認識しておくのが正しい理解です。
車内購入時の座席指定について解説
車内で特急券を購入する際に、最も重要な制約の一つが座席の扱いです。確実に座って快適な旅をしたいと考えるなら、このルールは必ず知っておく必要があります。
原則として、車内で車掌から購入する特急券(車内補充券)は、「自由席特急券」としての効力しか持ちません。つまり、乗客に保証されるのは、自由席車両の空いている席を利用する権利のみです。
たとえ指定席車両に多くの空席があったとしても、乗客が自らの意思で「この空いている席を指定席として購入したい」と申し出ることは、制度上できません。JRの座席予約システムは、全国の駅やオンラインで一元管理されており、通信環境が不安定な車内からリアルタイムで座席を確保する機能は、車掌には与えられていないからです。これは、同じ座席を二重に販売してしまう「ダブルブッキング」という重大なトラブルを防ぐための重要な仕組みです。
以上のことから、特急うずしおの車内で特急券を購入する場合は、必ず自由席を利用することになると考えるべきです。グループで隣り合った席を確保したい場合や、繁忙期に確実に着席したい場合は、必ず乗車前に駅やオンラインで指定席を予約・購入しなければなりません。

車内で特急券を買うメリット・デメリット
特急うずしおの車内で特急券を購入することには、便利な側面と不便な側面の両方が存在します。状況に応じて最適な判断ができるよう、メリットとデメリットを客観的に比較してみましょう。
項目 | メリット | デメリット |
利便性 | 無人駅や窓口営業時間外からでも乗車できる | 車掌を探して購入する手間がかかる |
急な予定変更で列車に飛び乗る必要がある時に対応可能 | 支払い方法が限定される(現金・QRのみ) | |
料金 | 割増料金などのペナルティはない | ネット予約などの割引が一切適用されない |
座席 | (自由席に空きがあれば)すぐに乗車できる | 座席指定ができず、自由席の利用に限られる |
確実性 | 繁忙期には自由席が満席で座れないリスクがある | |
ワンマン列車では購入自体が不可能 |
メリットの要約
最大のメリットは、きっぷを買う時間がない、あるいは買える場所がないといった緊急時に、とりあえず列車に乗車できるという点です。計画的でない移動や突発的な状況において、柔軟に対応できる最後の手段となります。
デメリットの要約
一方、デメリットは多岐にわたります。料金は割高になりがちで、座席の確保も不確実です。支払い方法も限られ、購入手続きにも手間がかかります。特に、混雑が予想される時期に座れない可能性があるのは、旅行の快適性を大きく損なうリスクと言えます。
これらの点を総合的に考慮すると、車内での購入はあくまで緊急避難的な選択肢であり、計画的な旅行においては事前購入が圧倒的に優れていることが分かります。
その他、車内で購入する際の注意点

これまで解説してきた内容以外にも、特急うずしおの車内で特急券を購入する際には、いくつか知っておくべき注意点があります。トラブルを避けるために、以下の点も頭に入れておきましょう。
ワンマン列車では購入不可
最も基本的な前提条件として、車内で特急券を購入できるのは、車掌が乗務している列車に限られます。運転士のみが乗務する「ワンマン列車」では、車内での特急券発行業務は一切行っていません。特急うずしおは基本的に全列車で車掌が乗務していますが、臨時列車など特殊なケースでは運用が異なる可能性もゼロではありません。
払い戻し・変更の制約
車内で購入したきっぷ(車内補充券)の払い戻しや変更には、厳しい制約があります。これらの手続きは、車掌が再度車内で行うことはできず、JR四国管内の駅員がいる駅の窓口(有人駅窓口)でのみ可能です。券売機での手続きもできません。特にQRコード決済で購入したきっぷを払い戻す場合は、支払時に受け取った「QRコード決済ご利用票」が必ず必要になるため、紛失しないように注意してください。
乗車券は別途必要
特急券は、あくまで速達サービスに対する料金です。目的地までの運賃を支払うための「乗車券」は、これとは別に必要となります。無人駅などから乗車する場合も、ICOCAなどの交通系ICカードで入場するか、着駅で運賃を精算する必要があります。特急料金を車内で支払ったからといって、運賃が不要になるわけではない点を理解しておきましょう。

特急うずしおの特急券を車内購入する総括
この記事で解説してきた、特急うずしおの車内での特急券購入に関する重要なポイントを以下にまとめます。
- 車内での特急券購入は可能だが事前購入が原則
- 乗車時はまず自由席車両の空席に座る
- 車掌に自ら申し出て乗車区間を告げる
- 支払いが完了すると「車内補充券」が発行される
- 車内購入は割引が適用されない正規料金のみ
- JR東日本のような割増料金(ペナルティ)はない
- ネット予約割引が使えないため結果的に割高になる
- 支払い方法は現金またはQRコード決済(4種)のみ
- クレジットカードや交通系ICカードは利用不可
- QRコード決済は通信圏外やスマホ不具合時は使えない
- 車内購入では座席指定ができず自由席利用に限られる
- 繁忙期は自由席が満席で座れないリスクがある
- きっぷを忘れた場合は車内で再購入し後日払い戻し手続きが必要
- 車掌が乗務していないワンマン列車では購入できない
- 払い戻しや変更はJR四国の有人駅窓口でのみ可能