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特急うずしお 揺れるのはなぜ?理由と対策を徹底解説

JR四国の高徳線、特急うずしおに乗車した際に感じる特有の揺れについて、疑問に思ったことはありませんか。実は、特急うずしおが揺れるのには明確な理由があります。この記事では、高徳線のカーブ区間と揺れの特徴や、特に山間部走行時の揺れやすさ、そして対照的な直線区間での走行の安定性について科学的な視点から解説します。

また、車両による乗り心地の違いを知るための2600系と2700系の揺れ比較や、カーブ通過時の車体傾斜と体感の仕組みも詳しく掘り下げます。さらに、乗車を快適にするための具体的な対策として、揺れを感じにくい座席位置の選び方や座席に備わった快適性の工夫、揺れ対策に役立つグッズ紹介も網羅しています。

特に揺れに敏感な人へのおすすめ対策や、子連れ・高齢者の乗車時の注意点にも触れ、誰もが安心して乗車できるよう、分かりやすく情報をお届けします。

この記事でわかること
  • 特急うずしおが揺れる科学的な理由と路線特有の事情
  • 車両ごとの揺れの違いや特徴
  • 揺れを最小限に抑えるための具体的な座席の選び方
  • 乗車前からできる効果的な乗り物酔い対策
目次

特急うずしお 揺れるのには訳がある

  • カーブ通過時の車体傾斜と体感
  • 高徳線のカーブ区間と揺れの特徴
  • 特に山間部走行時の揺れやすさ
  • 直線区間での走行の安定性とは
  • 2600系と2700系の揺れ比較

カーブ通過時の車体傾斜と体感

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Shikokuレールノート

特急うずしおがカーブを通過する際に感じる揺れは、実は意図的に作り出されたものです。これは「車体傾斜システム」と呼ばれる技術によるもので、乗り心地の悪さや車両の欠陥ではありません。

列車がカーブを高速で曲がると、乗客の体には遠心力がかかり、外側へ押し出されるような感覚を覚えます。この遠心力を打ち消し、乗り心地を保ちながら速度を維持するために、車体傾斜システムは車体をカーブの内側へと能動的に傾けます。

この仕組みは、オートバイのライダーがカーブで車体を内側に倒すのと同じ原理です。車体を傾けることで、重力の一部が遠心力と逆方向の力として働き、互いを相殺します。その結果、乗客は横に振られるのではなく、座席にまっすぐ押し付けられるような力として体感することになります。

したがって、この揺れは、カーブが多い路線をいかに速く、そして安全に走行するかという課題に対する工学的な答えなのです。

高徳線のカーブ区間と揺れの特徴

特急うずしおの揺れを理解する上で欠かせないのが、走行するJR高徳線の地理的な特性です。高松と徳島を結ぶこの路線は、都市間を結ぶ重要な役割を担う一方で、高速走行には厳しい側面を持っています。

特に、香川県と徳島県の県境に位置する「大坂峠越え」区間は、高徳線で最も険しい難所として知られています。この区間には、半径250mから400mという急なカーブが連続して存在します。もし車体傾斜システムがなければ、これらのカーブを安全に通過するために大幅な減速が必要となり、所要時間は今よりもずっと長くなってしまうでしょう。

乗客が最も大きな車体の傾き、つまり「揺れ」を体感するのが、まさにこの大坂峠越えの区間です。次々と現れる左右のカーブに対応して、車両がリズミカルに車体を傾けながら駆け抜けていく様子は、この路線の持つ地理的な制約を技術で克服している証と言えます。

特に山間部走行時の揺れやすさ

前述の通り、高徳線の中でも特に揺れを強く感じやすいのが、讃岐相生駅と阿波大宮駅の間に広がる山間部、通称「大坂峠越え」です。

この区間の揺れが顕著な理由は、単にカーブが多いだけでなく、急なカーブと25‰(パーミル)という急勾配が連続して組み合わさっている点にあります。25‰とは、水平に1000m進む間に25mの高低差が生じる勾配のことで、車両には常に大きな負荷がかかります。

このような厳しい条件下で高速運転を維持するため、特急うずしおの車体傾斜システムは性能を最大限に発揮します。短い間隔で右へ左へと連続的に傾斜制御を行うため、乗客は他の区間とは比較にならないほどダイナミックな動きを体感することになります。

この区間は、特急うずしおが持つ車体傾斜技術の真価が最も発揮される舞台であり、その性能を体感できる象徴的な場所と考えることができます。

直線区間での走行の安定性とは

直線区間での走行の安定性とは
Shikokuレールノート

特急うずしおの揺れは、全区間で一様に発生するわけではありません。山間部のカーブ区間とは対照的に、平野部などの直線区間では非常に安定した走行性能を示します。

高松側の讃岐平野や徳島側の徳島平野などでは、線路が比較的まっすぐに敷設されており、車体傾斜システムが作動する機会はほとんどありません。これらの区間では、乗客は静かで快適な乗り心地を享受でき、高速で巡航する特急列車ならではの安定性を感じられます。

ただし、揺れの種類はカーブでの傾斜だけではありません。例えば、徳島平野で吉野川を渡る長い鉄橋(吉野川橋りょう)を通過する際には、カーブでの横揺れとは異なる、細かな縦方向の振動を感じることがあります。これは橋梁という特殊な構造物がもたらすもので、路線の多様性を示しています。

このように、高徳線は険しい峠越えと穏やかな平野部という二つの顔を持っており、その地形の変化が特急うずしおの乗り心地に多彩な表情を与えているのです。

2600系と2700系の揺れ比較

特急うずしおには、主に「2600系」と「2700系」という二つの形式の車両が使用されており、それぞれ搭載する車体傾斜システムが異なるため、乗り心地にも違いがあります。

2600系:空気ばね式車体傾斜

2600系は「空気ばね式車体傾斜方式」を採用しています。これは、台車と車体の間にある空気ばねの空気圧を制御して車体を傾ける仕組みです。カーブを検知すると、コンピュータが外側の空気ばねを膨らませ、内側を縮ませることで傾斜させます。カーブ区間で聞こえる「ジューッ」という音は、このシステムが作動している証拠です。

ただ、急カーブが連続する区間では圧縮空気の供給が追いつきにくくなるという特性があり、運用は比較的カーブが緩やかな高徳線が中心となっています。

2700系:制御付自然振り子式

一方、主力車両である2700系は「制御付自然振り子式」という、より進化したシステムを搭載しています。これは、カーブで発生する遠心力を利用して振り子のように車体を自然に傾けさせつつ、その動きをコンピュータ制御で最適化する仕組みです。

あらかじめ記憶させた路線データとGPSによる正確な位置情報を基に、カーブに進入する最適なタイミングで傾斜を開始するため、2600系の反応型システムに比べて、より滑らかで予測的な制御が可能です。このため、揺り戻しが少なく、乗り心地は格段に向上したと評価されています。

特徴2700系2600系
車体傾斜システム制御付自然振り子式空気ばね式車体傾斜方式
システム原理予測・指令傾斜(路線データに基づく能動制御)反応・追従傾斜(空気圧による受動的制御)
作動時の感覚スムーズで滑らかな傾き「ジューッ」という作動音を伴う傾き
主な運用路線高徳線、土讃線、予讃線高徳線

短時間の乗車では違いを明確に感じるのは難しいかもしれませんが、技術的には2700系の方がより洗練された乗り心地を目指して設計されていると言えます。

ChatGPT Image 2025年4月19日 08 27 06よんてつ

高徳線に限らず、かなり安全マージンを取って運行されているから、揺れの違いの明確な違いは感じにくいけど、2600系はポイント通過時の揺り戻しが強く感じる事があるね。

特急うずしお 揺れる旅を快適にするコツ

  • 揺れを感じにくい座席位置の選び方
  • 揺れに敏感な人へのおすすめ対策
  • 揺れ対策に役立つグッズ紹介
  • 座席にある快適性の工夫を活用しよう
  • 子連れ・高齢者の乗車時の注意点
  • 特急うずしおが揺れる理由と対策まとめ

揺れを感じにくい座席位置の選び方

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同じ車両内でも、座る位置によって揺れの感じ方は大きく異なります。少しでも快適に過ごすためには、戦略的な座席選択が鍵となります。

最も揺れが少ないとされるのは、車両の中央付近の座席です。鉄道車両は、車輪がある台車部分を支点として、上下や左右に首を振るような動き(ピッチングやヨーイング)をします。そのため、支点から最も離れた車両の端(連結部付近や運転席側)では、これらの動きが増幅され、揺れを大きく感じやすくなります。したがって、揺れを最小限にしたい場合は、車両の真ん中あたりを選ぶのが最適な選択です。

また、乗り物酔い対策としては、通路側よりも窓側の座席が推奨されます。窓から遠くの景色や水平線を眺めることで、視覚情報と平衡感覚のズレが補正され、脳の混乱を防ぐ効果が期待できます。手元のスマートフォンや本に集中すると、このズレが大きくなり酔いやすくなるため注意が必要です。

進行方向に向かって右側か左側かについては、路線のカーブの向きに依存するため一概には言えませんが、試してみる価値のある選択肢の一つです。

揺れに敏感な人へのおすすめ対策

乗り物酔いをしやすい方や揺れに敏感な方は、乗車前から対策を始めることが大切です。

まず、旅行前日の過ごし方が重要になります。睡眠不足や疲労は自律神経のバランスを乱し、乗り物酔いを引き起こす大きな原因となります。前日は十分な睡眠時間を確保し、体調を整えておくことを心がけてください。

次に、食事のタイミングと内容です。空腹や満腹の状態は胃に負担をかけ、酔いを誘発しやすくなります。乗車の1〜2時間前に、消化の良い食事を腹八分目程度に済ませておくのが理想的です。脂っこいものや柑橘類、炭酸飲料は胃を刺激する可能性があるため、避けた方が無難でしょう。

服装も快適性に影響します。体を締め付けるような服装は血行を妨げ、不快感を増大させることがあります。移動中はベルトを少し緩めるなど、リラックスできる服装を意識するだけで、体感は大きく変わります。

乗車中は、進行方向遠くの景色をぼんやりと眺め、深呼吸をしたり、同行者との会話を楽しんだりして、リラックスを心がけることが有効です。

揺れ対策に役立つグッズ紹介

揺れ対策に役立つグッズ紹介
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事前の準備として、揺れ対策に役立つグッズをいくつか用意しておくと、より安心して乗車できます。

乗り物酔い止め

最も確実な対策の一つが、市販の酔い止めです。多くの薬は、乗車する30分から1時間前に服用することで効果を発揮します。酔ってからでも効くタイプもありますが、予防的に服用する方が効果は高いとされています。自分の体質に合ったものを事前に準備しておくと安心です。

気分をリフレッシュさせる食品

ショウガには吐き気を抑える効果があるとされ、ショウガ味の飴やジンジャーティーなどがおすすめです。また、ミント系のガムを噛むことも、口の中を爽やかにし、気分転換に役立ちます。顎を動かす行為自体が脳への刺激となり、酔いを紛らわす効果も期待できます。

ツボを刺激するグッズ

薬に頼りたくない場合は、手首の内側にある「内関(ないかん)」というツボを刺激するリストバンドも市販されています。このツボは乗り物酔いの症状を和らげる効果があると言われており、手軽に試せる対策として人気です。

これらのグッズを旅行カバンに一つ入れておくだけで、心理的な安心感にも繋がります。

座席にある快適性の工夫を活用しよう

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特急うずしおに使用されている2600系や2700系の車両には、乗客が快適に過ごせるようないくつかの設備が備わっています。これらの工夫を積極的に活用することも、揺れのある車内で快適に過ごすためのポイントです。

最近の特急車両の座席は、人間工学に基づいて設計されており、体をしっかりと支える(ホールドする)形状になっています。これにより、揺れの中でも体が不必要に動くのを防ぎ、安定した姿勢を保ちやすくなります。

2600系の座席には、高さ調整が可能な枕やフットレスト(足置き)が設置されています。自分の体格に合わせて枕の位置を調整し、フットレストを利用して足元を安定させることで、体への負担が軽減され、リラックス効果が高まります。

また、リクライニング機能も適切に利用しましょう。倒しすぎるとかえって体が不安定になる場合もあるため、少しだけ傾けて、背中全体がシートにフィットする角度を探すのがおすすめです。

これらの設備は、単なる付加機能ではなく、揺れを伴う長時間の移動を少しでも快適にするための鉄道会社の配慮です。積極的に活用して、自分にとって最も楽な姿勢を見つけてみてください。

子連れ・高齢者の乗車時の注意点

子連れ・高齢者の乗車時の注意点
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小さなお子様連れの方やご高齢の方が乗車される際には、特に配慮が必要な点がいくつかあります。

お子様連れの場合

お子様は大人よりも乗り物酔いをしやすい傾向があります。揺れが少ない車両中央の座席を確保するとともに、乗車中は窓の外の景色を見せるように促しましょう。お気に入りのおもちゃや絵本、お菓子などを用意して、気分を紛らわす工夫も有効です。ただし、読書や画面に集中しすぎると酔いを誘発する可能性があるので注意が必要です。必要であれば、子ども用の酔い止め薬を事前に準備しておくと安心できます。

ご高齢者の場合

ご高齢の方は、揺れによる転倒のリスクに注意が必要です。席を立つ際やデッキへ移動する際には、急がず、手すりなどをしっかりと利用してください。また、トイレに近い座席を選ぶと、移動距離が短くなり負担を軽減できます。乗降時も、列車とホームの間に隙間や段差があるため、足元に十分注意することが大切です。

いずれの場合も、揺れが最も少ないとされる車両の中央付近の座席を選ぶことが基本の対策となります。また、乗務員に事情を伝えれば、可能な範囲での配慮を受けられる場合もありますので、不安な点があれば相談してみるのも良いでしょう。

特急うずしおが揺れる理由と対策まとめ

この記事で解説した、特急うずしおの揺れに関する要点を以下にまとめます。

  • 特急うずしおの揺れは故障ではなく意図的なもの
  • 「車体傾斜システム」が高速でカーブを曲がるために作動している
  • 揺れは遠心力を打ち消し乗り心地を維持する技術
  • 走行する高徳線には急カーブが多い「大坂峠越え」区間がある
  • 特に山間部の連続カーブ区間で揺れは最も顕著になる
  • 平野部の直線区間では安定した走行で揺れは少ない
  • 車両には2600系と2700系の2種類が主に使用される
  • 2700系の方がより滑らかな乗り心地とされる
  • 揺れにくい座席は車両の中央付近
  • 乗り物酔い対策には窓側の席がおすすめ
  • 乗車前日は十分な睡眠をとり体調を整える
  • 空腹や満腹を避け、消化の良い食事をとる
  • 酔い止め薬やミントガムなどのグッズが有効
  • 座席のリクライニングやフットレストを活用しリラックスする
  • 子連れや高齢者は特に座席位置と車内移動に注意する
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