徳島でJRに乗るとき、「電車に乗る」ではなく「汽車に乗る」と言う人がいるのを不思議に感じたことはありませんか。
県外の人からすると「汽車ってSLのことでは?」と思いますよね。ですが徳島では、ディーゼルカーなどJRの列車を日常会話で「汽車」と呼ぶことが珍しくありません。
その大きな理由は、徳島県内の旅客鉄道路線に電化区間がなく、長いあいだ「電車」が日常の鉄道風景にならなかったからです。蒸気機関車の時代からディーゼルカーの時代へ移っても、「汽車」という呼び方が生活の中に残ってきたんですね。
かく言う私も、徳島ではごく普通に「汽車」と呼んでいました。「それ汽車じゃなくて気動車でしょ」と毎回考えて呼んでいるわけではありません。生活の中では、それくらい自然な呼び方なんですよ。
ただし、2026年現在は事情が少し変化しています。JR四国初となる3600系ハイブリッド式ローカル車両が2026年6月27日から徳島地区で営業運転を開始しました。エンジンで発電した電力と蓄電池を使い、モーターで走る新しい仕組みです。
それでも線路上に架線を張って外部から電力を受ける「電化」が行われたわけではありません。つまり、徳島の鉄道は非電化のままですが、走る車両の仕組みは従来のディーゼルカーだけではなくなってきたということです。
この記事では、「徳島ではなぜ汽車と呼ぶの?」という素朴な疑問から、電車が走っていない理由、気動車との違い、阿波電気軌道の歴史、最新の3600系、特急うずしお、DMVまで順番に解説します。
- 徳島でJRの列車を「汽車」と呼ぶ理由
- 「汽車」「電車」「気動車」の違い
- 徳島県内の鉄道が現在も非電化である背景
- 阿波電気軌道が計画した「徳島の電車」の歴史
- 2026年に登場した3600系ハイブリッド車両の位置づけ
- 特急うずしお2700系やDMVなど現在の徳島の鉄道事情
結論|徳島で「汽車」と呼ぶのは電車が日常に存在しなかったから

最初に答えをシンプルにまとめると、徳島で「汽車」という呼び方が残っているのは、県内の鉄道が電化されず、電車に置き換わる時代を経験しなかったことが大きな背景です。
全国では蒸気機関車からディーゼルカー、さらに電車へと主役が移った地域が多くあります。その結果、日常会話でも「駅まで電車で行く」「電車に乗って帰る」という表現が一般的になりました。
ところが徳島では、蒸気機関車の後を引き継いだ主役が電車ではなく気動車でした。だから「汽車」という言葉から「電車」へ完全に置き換わるきっかけが少なかったわけです。
もちろん、鉄道用語として厳密に言えば、現在の徳島を走っている一般的なディーゼル車両は「気動車」です。「汽車=蒸気機関車」と考える場合もあります。
しかし日常会話では必ずしも専門用語通りに呼ぶ必要はありません。徳島で「汽車」と言えば、「JRの列車のことね」と普通に話が通じます。ここが、県外の人にはちょっと面白く感じるところかなと思います。
| 呼び方 | 一般的な意味 | 徳島でのイメージ |
|---|---|---|
| 電車 | 外部の電力などを使ってモーターで走る鉄道車両 | 県内の一般的なJR列車を指す言葉としては定着しにくかった |
| 気動車 | 車両に搭載したエンジンなどを使って走る鉄道車両 | 徳島地区で長く主力となってきた車両 |
| 汽車 | 本来は蒸気機関車が牽引する列車などを指すことがある | JRの列車全般を指す日常的な呼び方として使われる |
| 列車 | 鉄道上を運転する車両・編成を広く表す言葉 | 電車・気動車を問わず使える |
徳島県にはなぜ電車が走っていないの?
「汽車と呼ぶ理由は分かった。でも、そもそも徳島だけなぜ電車がないの?」。おそらく次に気になるのはここですよね。
これは「徳島だから電車を導入できない」という単純な話ではありません。歴史、輸送需要、設備投資、既存設備などが長い時間をかけて積み重なった結果と考えるのが自然です。
- 県内の鉄道路線が電化されないまま整備されてきた
- 電化には架線・変電所など大規模な設備投資が必要
- 地方路線では投資額に見合う効果を得にくい場合がある
- 高性能な気動車でも十分な速達性を確保できる
- 2026年には非電化のまま使えるハイブリッド車両も登場した
徳島県は旅客鉄道の電化区間がない珍しい県
徳島県内を走るJRの高徳線、徳島線、牟岐線、鳴門線はいずれも非電化です。
ここで勘違いしやすいのが、「徳島には電車がない=徳島には鉄道がない」という意味ではないことです。
鉄道はちゃんとあります。徳島駅を中心に、高松方面、鳴門方面、阿南・牟岐方面、穴吹・阿波池田方面へ線路が伸びています。違うのは、その線路の上に一般的な電化路線で見られる架線がないことです。
香川県や愛媛県へ行くと、JR四国の電車を目にします。高知県にはとさでん交通の路面電車もあります。そのため、四国4県を比べても徳島の鉄道風景はかなり独特なんですよ。
電化には架線と変電所など大きな設備投資が必要
線路がすでにあるなら、上に電線を張れば電車を走らせられると思うかもしれません。しかし実際の鉄道電化は、それほど単純ではありません。
架線を張るだけでなく、それを支える柱、電力を供給する設備、変電所、信号設備との調整など、多くの設備を整備する必要があります。
しかも、一度造れば終わりではありません。架線や電力設備を安全な状態に保つには、定期的な検査や補修が必要です。
電化で必要になる主なもの
- 架線と架線柱
- 変電所などの電力供給設備
- 既存の橋・トンネル・駅設備との調整
- 電化設備の点検・補修
- 電車を導入・整備するための車両側設備
列車本数が非常に多く、多数の利用者を運ぶ路線なら、こうした設備投資をしても電車の高い輸送力や運転効率を活かせます。
一方、地方路線では事情が違います。列車本数や利用者数に対して設備投資が大きすぎれば、電化したからといって鉄道経営が良くなるとは限りません。
そのため、「電化されていない=鉄道技術が遅れている」と考えるのは少し違います。路線の利用状況や運行方法に合わせて、非電化を維持するという選択もあるわけです。
高徳線のトンネルだけが原因とは言い切れない

高徳線が電化されない理由として、「古いトンネルの断面が小さいから」という説明を目にすることがあります。
たしかに、既存のトンネルへ架線を設置する場合には、パンタグラフや架線、絶縁に必要な空間を確保しなければなりません。条件によっては線路を下げたり、設備を改修したりする工事が必要になる可能性があります。
ただし、「高徳線が電化されない理由は特定のトンネルだけ」と断定するのは避けた方がいいでしょう。
実際には、路線全体の輸送需要、電化設備の建設費、維持管理費、既存施設の改修、車両運用などをまとめて考える必要があります。トンネルは電化を考える際の物理的・費用的な課題の一つ、と捉えるのが分かりやすいです。
徳島にも「電車」を走らせようとした歴史がある

現在まで非電化が続く徳島ですが、実は昔から「電車とは無縁だった」というわけではありません。
その歴史を知るうえで外せないのが「阿波電気軌道」です。
1911年に設立された阿波電気軌道
四国社会資本アーカイブによると、阿波電気軌道株式会社は1911年(明治44年)6月に設立されました。
その名の通り、当初は電気を使った鉄道が構想されていました。徳島から撫養、現在の鳴門方面を結ぶ交通を整備しようとしていたんですね。
しかし、最終的に電車による運転は実現しませんでした。古川~撫養間は1916年(大正5年)に営業を開始しましたが、電化された鉄道ではありませんでした。
その後、1926年(大正15年)に阿波鉄道へ社名を変更。1933年(昭和8年)には国に買収され、国有鉄道の阿波線となります。
現在のJR鳴門線や高徳線の一部につながっていく歴史です。「徳島には昔から電車を造る発想すらなかった」というわけではなく、計画は存在したものの、結果として非電化の鉄道網が引き継がれていったわけです。
歴史を詳しく調べたい方は、四国社会資本アーカイブ「阿波電気軌道古川~撫養間」も参考になります。
「最初から電化を選ばなかった」だけでは説明できない
徳島の鉄道が現在まで非電化なのは、阿波電気軌道の計画が実現しなかったから、それだけで決まったわけでもありません。
鉄道は100年以上の時間をかけて設備や車両を更新していきます。その間に蒸気機関車からディーゼルカーへの転換が進み、気動車の性能も大幅に向上しました。
つまり途中から、「多額の費用をかけて電化しなくても、高性能な気動車で必要な輸送を行える」という選択肢が現実的になっていったんですね。
なぜ「気動車」ではなく「汽車」という呼び方が残った?

鉄道ファンなら「それは汽車じゃなくて気動車」と言いたくなるかもしれません。
でも、日常生活の言葉は必ずしも鉄道会社の正式名称通りには変化しません。
徳島では蒸気機関車の時代が終わった後も、鉄道の主役が電車ではなくディーゼルカーになりました。そのため「汽車」という昔からの呼び方が、そのままJRの列車を表す言葉として残ったと考えると、とても分かりやすいです。
私自身も徳島では「汽車」と呼んでいました。子どもの頃から周囲がそう呼んでいれば、「これは気動車だから今日から気動車と呼ぼう」とはなかなかなりませんよね。
県外へ行って「汽車に乗る」と話すと、SLを想像されることがあります。反対に徳島で「電車」と言えば、少し違和感を持つ人がいる。このズレも地域文化の面白いところです。
徳島で「汽車」と呼ぶのは間違いなの?
結論から言えば、日常会話ならあまり気にしなくて大丈夫です。
車両の仕組みを正確に説明する場面なら「気動車」「ハイブリッド式車両」などと呼ぶ方が適切ですが、地域の生活語として「汽車」が使われることとは別の話です。
むしろ「徳島では汽車と呼ぶ」という事実そのものが、県内の鉄道が歩んできた歴史を表しているとも言えます。
「徳島には汽車しかない」は2026年現在少し補足が必要
以前なら「徳島の汽車はすべてディーゼルエンジンで走る気動車」と説明しても大きな違和感はありませんでした。
しかし2026年6月、JR四国が3600系ハイブリッド式ローカル車両の営業運転を徳島地区で開始したことで、説明が少し変わりました。
今後は「徳島県内の鉄道は非電化で、従来型の気動車に加えてハイブリッド式車両も走っている」と覚えておくと正確です。
2026年登場の3600系で徳島の「汽車」が変わり始めた
徳島の鉄道を語るなら、今後は3600系を外せません。
JR四国の3600系は、老朽化したローカル気動車の置き換えを目的として開発された、JR四国初のハイブリッド式ローカル車両です。2026年6月27日から徳島地区で営業運転を開始しました。
3600系はエンジンで発電してモーターで走る
従来の一般的な気動車では、ディーゼルエンジンの力を変速機などを介して車輪へ伝えて走ります。
3600系では、エンジンで発電した電力と、ブレーキ時などに蓄電池へ貯めた電力を組み合わせ、電気モーターを回して走ります。
JR四国によると、駅停車時にはアイドリングストップを行い、従来の気動車特有のギアチェンジもなくなることで、静粛性や乗り心地の向上も図られています。
| 項目 | 従来型気動車 | 3600系 |
|---|---|---|
| 主なエネルギー源 | ディーゼル燃料 | ディーゼル燃料+蓄電池 |
| 走行方式 | エンジンの動力を車輪へ伝える | 発電した電力などでモーターを駆動 |
| 架線 | 不要 | 不要 |
| 駅停車中 | 車両によってエンジン作動 | アイドリングストップが可能 |
| 最高運転速度 | 形式による | 100km/h |
3600系については、JR四国の3600系ハイブリッド式ローカル車両公式ページで最新情報を確認できます。
3600系が走っても徳島が「電化」されたわけではない
ここはかなり間違えやすいところです。
3600系はモーターで走りますが、パンタグラフを上げて架線から電力を受ける車両ではありません。走行に必要な電力を車両側でつくり、蓄電池と組み合わせて使います。
そのため、3600系が登場しても高徳線や徳島線、牟岐線などが「電化路線」になったわけではありません。
むしろ興味深いのは、徳島では大規模な架線設備を造らなくても、ハイブリッド技術によってモーター駆動のメリットを取り入れられる時代になったことです。
「徳島にいつ電車が走るのか」という問いに対して、昔ながらの架線式電化とは別の方向から鉄道が進化し始めている。これはかなり面白い変化ですよ。
徳島の汽車は遅い?特急うずしおは最高速度130km/h

「汽車」「非電化」と聞くと、古くてゆっくり走るローカル列車を想像する人もいるかもしれません。
ところが、高松と徳島を結ぶ特急「うずしお」の主力となっている2700系は、そのイメージとはかなり違います。
JR四国の2700系は最高速度130km/h。制御付自然振子方式を採用しており、カーブの多い路線でも速達性を確保するための設計になっています。
2700系は車体を傾けてカーブを走る
2700系の特徴が「制御付自然振子方式」です。
カーブを走行するときに車体を内側へ傾けることで、乗客が感じる横方向の力を抑えながら、カーブを比較的高い速度で通過できます。
高徳線のようにカーブのある路線では、単純に最高速度だけを上げても所要時間を短縮できません。カーブをどれだけスムーズに走れるかも重要になります。
電化していなくても130km/h運転に対応した特急列車を走らせられることを考えると、「速い列車を走らせるなら必ず電化しなければならない」とは言えないことが分かります。
特急うずしおの料金、予約方法、自由席・指定席、停車駅などをまとめて確認したい方は、特急うずしお完全ガイド|高松〜徳島の料金・予約・座席を解説も参考にしてください。
2600系も特急うずしおで活躍

特急うずしおでは2600系も使用されています。
2600系は最高速度120km/hで、2700系とは異なる空気ばね式の車体傾斜機構を採用しています。見た目は似ていますが、車体を傾ける仕組みなどに違いがあります。
「せっかく徳島へ行くなら2700系に乗ってみたい」という方は、運用の考え方を2700系 運用の完全ガイド!南風・うずしおの最新事情と攻略法で詳しくまとめています。
| 形式 | 種類 | 徳島地区での代表的な用途 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 2700系 | 特急形気動車 | 特急うずしお | 最高速度130km/h・制御付自然振子方式 |
| 2600系 | 特急形気動車 | 特急うずしお | 最高速度120km/h・空気ばね式車体傾斜機構 |
| 1000形・1200形 | 一般形気動車 | 普通列車 | 徳島地区の通勤・通学輸送を支える |
| 1500形 | 一般形気動車 | 高徳線・徳島線・牟岐線など | バリアフリーや環境性能にも配慮 |
| 3600系 | ハイブリッド式ローカル車両 | 徳島地区の普通列車 | エンジン発電+蓄電池+モーター駆動 |
普通列車として活躍する1000形については、JR四国1000形の徳島運用の全てを路線別に解説で、徳島駅を中心とした使われ方を詳しく紹介しています。
徳島には線路と道路を両方走るDMVもある

非電化という徳島の鉄道事情をさらに面白くしている存在が、徳島県南部から高知県東部を走る阿佐海岸鉄道のDMVです。
DMVは「デュアル・モード・ビークル」の略で、道路と線路の両方を走れる車両です。
道路上では普通のバスと同じようにゴムタイヤで走行し、モードインターチェンジで鉄道用の車輪を使う状態へ切り替えると、線路上を走行できます。
阿佐海岸鉄道によると、2021年12月25日に世界初となるDMVの本格営業運行を開始しました。
阿波海南駅から甲浦駅周辺では鉄道モードを使い、その先は道路へ出てバスとして走るため、従来なら鉄道駅でバスへ乗り換える必要があった移動を一つの車両でつなげられます。
DMVはJR四国の列車ではないので注意
ここも旅行者が間違えやすいポイントです。
DMVを運行しているのはJR四国ではなく、第三セクターの阿佐海岸鉄道です。JRのきっぷを持っているからそのままDMVにも乗れる、とは限りません。
実際に乗車するときは、運行日、時刻、乗車方法、運賃などを阿佐海岸鉄道公式サイトで確認しておきましょう。
「徳島には電車がない」と聞くと、鉄道が遅れているように感じる人もいるかもしれません。しかし、世界初のDMVやJR四国初の3600系ハイブリッド車両が徳島地区から走り始めていることを考えると、むしろ「架線を使わない鉄道の新しい形」が次々と見られる県とも言えそうです。
「徳島に電車がない理由」とアーク伝説は別の話
徳島に電車が走らない理由を調べていると、ときどき「剣山のアーク伝説」に行き着くことがあります。
徳島の剣山には、古代ユダヤの聖櫃「アーク」が眠っているという伝説が語られることがあります。
そこから、電車のパンタグラフと架線で発生する可能性がある「アーク放電」と、聖櫃の「アーク」を掛け合わせ、「徳島に電車を走らせると封印が破られる」といった物語として語られることがあります。
もちろん、これは徳島の鉄道が非電化である実際の理由を説明するものではありません。
あくまで言葉遊びを含んだ伝説・都市伝説の一つとして楽しむ話です。徳島の鉄道が電化されていない現実的な背景とは分けて考えましょう。
それでも、「なぜ徳島だけ電車がないの?」という珍しい状況から、こうした地域ならではの物語が生まれたと考えると面白いですよね。
徳島の汽車についてよくある質問
- 徳島ではなぜ電車ではなく汽車と呼ぶのですか?
-
徳島県内の鉄道路線が長く非電化で、蒸気機関車の後も電車ではなく気動車が主役になったことが大きな背景です。そのため、昔から使われていた「汽車」という呼び方がJRの列車全般を指す生活語として残りました。
- 徳島には本当に電車が走っていないのですか?
-
徳島県内の旅客鉄道路線には電化区間がありません。ただし鉄道そのものはあり、高徳線、徳島線、牟岐線、鳴門線などが運行されています。また2026年からは、エンジン発電と蓄電池を組み合わせてモーターで走る3600系ハイブリッド式ローカル車両も営業運転を開始しています。
- 徳島の「汽車」は蒸気機関車ですか?
-
いいえ。日常会話で「汽車」と呼ばれているJRの列車は、現在では主に気動車やハイブリッド式車両です。SLが日常の普通列車として走っているわけではありません。
- 3600系はモーターで走るなら電車ではないのですか?
-
3600系はモーターで走りますが、架線から電力を受ける一般的な電化路線の電車とは仕組みが異なります。エンジンで発電した電力と蓄電池を組み合わせるハイブリッド方式で、非電化区間をそのまま走ることができます。
- 徳島の鉄道が今後電化される予定はありますか?
-
鉄道の設備計画は将来変更される可能性があるため、最新情報はJR四国や徳島県の公式発表で確認してください。少なくとも現在は、3600系のように非電化区間のまま環境性能や乗り心地を高める車両の導入が進んでいます。
徳島で汽車と呼ぶのはなぜなのか|まとめ
徳島で「汽車」と呼ぶ理由をたどっていくと、単なる方言ではなく、徳島の鉄道が歩んできた歴史そのものが見えてきます。
一番大切なのは、「徳島には鉄道がない」のではなく、「鉄道はあるけれど、県内の旅客鉄道路線が非電化」ということです。
- 徳島県内の旅客鉄道路線には電化区間がない
- そのためJRの列車を「電車」ではなく「汽車」と呼ぶ文化が残っている
- 現在の日常的な「汽車」はSLではなく、主に気動車などを指している
- 私自身も徳島ではJRの列車を自然に「汽車」と呼んでいた
- 徳島にも1911年設立の阿波電気軌道による電気鉄道構想が存在した
- 阿波電気軌道は実際には電化されず、後に阿波鉄道、国有鉄道へとつながった
- 鉄道電化には架線、変電所、既存設備の改修など大きな投資が必要になる
- 高徳線のトンネルだけを「電化できない原因」と断定するのは適切ではない
- 2700系は非電化の気動車ながら最高速度130km/hに対応している
- 2026年6月27日から徳島地区で3600系ハイブリッド式ローカル車両が営業運転を開始した
- 3600系はエンジンで発電した電力と蓄電池を使ってモーターで走る
- 3600系の登場後も徳島県内の路線が電化されたわけではない
- 徳島県南部では阿佐海岸鉄道の世界初となる本格営業運行のDMVも走っている
- 「汽車」という呼び方は、徳島の鉄道史が今も日常の言葉に残っている例といえる
県外で「電車に乗る」と言うのと同じ感覚で、徳島では「汽車に乗る」と言う。私にとっても、それは特別な言い方ではなく、ごく普通の言葉でした。
ところが、その何気ない一言を調べていくと、阿波電気軌道からディーゼルカー、2700系、そして2026年に登場した3600系ハイブリッド車両まで、100年以上にわたる徳島の鉄道の歩みにつながっています。
徳島へ旅行する機会があれば、駅で架線のない線路を眺めながら、地元で親しまれてきた「汽車」に乗ってみてください。特急うずしおや普通列車に実際に乗ると、「電車がない県」という言葉だけでは分からない徳島の鉄道の面白さが見えてくるかなと思います。
列車旅ではスマートフォンで時刻表を確認したり、車内で充電したりする場面も多いので、必要な旅行用品は出発前に準備しておくと安心です。普段利用しているAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどで比較しておけば、現地で慌てずに済みますよ。
2026年8月12日 記事更新

