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JR四国の営業キロと運賃の謎!計算方法や黒字路線を徹底解説

JR四国の営業キロと運賃の謎!計算方法や黒字路線を徹底解説

こんにちは。Shikokuレールノート 運営者の「よんてつ」です。

今回は、鉄道ファンだけでなく、四国を列車で旅する多くの方が一度は疑問に思うであろうテーマについて深掘りしていきます。皆さんは切符を買うとき、あるいは時刻表を見ているときに、JR四国の営業キロや運賃の計算方法が少し複雑だと感じたことはありませんか。

実は、距離を示すキロ数にはいくつかの種類があり、特に地方交通線の擬制キロ(換算キロ)などは運賃に大きく関わっています。また、一覧表だけでは見えてこない、各路線の経営状況も気になるところです。この記事では、そんな疑問を解消すべく情報を整理しました。

この記事でわかること
  • JR四国における営業キロと運賃計算が「ややこしく見える」理由
  • 幹線と地方交通線の違い、擬制キロ(換算キロ)が運賃に与える影響
  • 瀬戸大橋線(本四備讃線)の加算運賃の仕組みと歴史
  • 最新の公表資料から読み解く線区別収支(営業係数)の見方と課題
目次

JR四国における営業キロの基本と運賃計算の仕組み

JR四国の鉄道を利用する際、私たちは無意識のうちに「距離」に応じた運賃を支払っていますが、この「距離」の扱いが実は一筋縄ではいきません。切符のルールブックである旅客営業規則や運賃計算の仕組みを追っていくと、歴史的経緯と、地方路線を抱える鉄道会社ならではの事情が見え隠れします。ここでは、運賃計算の根幹となる営業キロの概念や、四国ならではのルールについて、初心者の方にもわかりやすく、かつ詳しく紐解いていきます。

営業キロと実キロの違いを徹底解説

まず最初に押さえておきたいのが、鉄道には「実キロ」と「営業キロ」という2つの異なる距離の概念が存在するということです。これらは似て非なるもので、混同すると運賃計算が合わなくなる原因になります。

実キロ(Actual Kilometers)とは、その名の通り線路の物理的な長さのことです。レールの長さを測った数値と言えばイメージしやすいでしょう。これは主に保線作業や施設の管理、あるいは列車の運転計画(所要時間の計算など)に使われる「現場の数値」です。トンネルを掘り直して直線化したり、駅を移転させたりすると、この実キロは変動します。

一方で、私たちが普段目にする運賃表や時刻表に載っているのは営業キロ(Operating Kilometers)です。これは「運賃を計算するための基準となる距離」です。基本的には実キロと近いことが多いのですが、必ずしもイコールではありません。

JR四国の実キロと営業キロの違いを解説したスライド
実キロは「物理的な長さ」、営業キロは「運賃計算上の距離」。切符の値段に関わるのは後者です。

なぜこの二つが乖離するのでしょうか?例えば、線路の改良工事でルートが短縮された場合を考えてみましょう。実キロが短くなったからといって営業キロも必ず同じように短くなるとは限りません。運賃制度の整合(他区間とのバランス、端数処理、制度変更のタイミングなど)や、改良投資の位置づけ等の事情により、営業キロの扱いが結果として据え置き・調整されるケースがあります。つまり、運賃を知りたいときの「距離」は、地図上の直線距離でも、必ずしも実キロでもなく、あくまで「営業キロ」なのです。

ここがポイント
・実キロ:線路の物理的な長さ(保線・運転用)
・営業キロ:運賃計算の基準となる距離(切符用)
運賃を知りたいときは、地図上の距離ではなく「営業キロ」を確認しましょう。

幹線と地方交通線を区分する判定基準

JR四国の路線図をよく見ると、太い線で描かれた路線と、細い線で描かれた路線があることに気づくかもしれません。これはデザイン上の問題ではなく、明確なルールに基づいた「幹線」と「地方交通線」という区分けを表しています。

この区分のルーツは、国鉄時代の1980年代の路線整理・経営再建の流れにあります。当時、全国の路線は輸送密度(1日1kmあたりの利用者数)などをもとにランク付けされ、一般には輸送密度が4,000人程度以上を目安に「幹線」、それ未満を「地方交通線」とする考え方が知られています(※実際の指定には複数条件があります)。

JR四国の幹線と地方交通線の区分を示す路線図イラスト
香川県内や主要都市間を結ぶルートが「幹線」、それ以外が「地方交通線」として色分けされています。

簡単に言えば、都市間を結び多くの人が利用する主要な路線が幹線、比較的利用者が少なく地域内の生活輸送がメインの路線が地方交通線です。JR四国における一般的な区分のイメージは以下の通りです。

  • 幹線(Main Lines):
    予讃線、土讃線、高徳線、本四備讃線(瀬戸大橋線)
  • 地方交通線(Local Lines):
    徳島線、牟岐線、鳴門線、予土線、内子線

この区分は単なる呼び名の違いではなく、運賃計算において決定的な意味を持ちます。地方交通線は、幹線に比べて利用者が少ない区間を多く抱えやすく、固定費(線路・駅・設備の維持)の負担が重くなりがちです。その結果、運賃計算上の距離の扱い(擬制キロ)など、制度面で「地方線を前提にした調整」が組み込まれています。

豆知識:香川県の特異性
興味深いことに、香川県内のJR線は一般に「幹線」扱いの路線で構成されています。県内の路線網は面積が比較的小さく、県庁所在地・主要都市圏への流動がまとまりやすい点も背景にあります(※区分は資料や扱いの文脈により表現が異なる場合があります)。

運賃計算キロの算出方法と擬制キロ(換算キロ)の役割

ここからが少し複雑な、しかし「なぜ運賃が高く見えるのか」を知る上で最も重要なパートです。JR四国で地方交通線を利用する場合、営業キロをそのまま運賃表に当てはめるだけではないケースがあります。そこで登場するのが「擬制キロ(換算キロ)」という概念です。

地方交通線の擬制キロ(換算キロ)の仕組み解説
地方交通線の擬制キロ(換算キロ)の仕組み解説

地方交通線は利用者が少ない区間を含みやすく、幹線と同じ距離感のままでは収支が厳しくなりがちです。そこで、地方交通線の営業キロを一定倍率(一般に約1.1倍)で換算した数値を運賃計算に用いる考え方が採られています。イメージとしては「実際には10km相当でも、運賃計算上は11km相当として扱う」という仕組みです。

具体的な計算ロジックは、大きく以下の3パターンで理解するとスッキリします。

1. 幹線のみを利用する場合

最もシンプルです。乗車区間の「営業キロ」を基本として運賃を求めます。
(例:高松〜坂出)

2. 地方交通線のみを利用する場合

乗車区間の営業キロを「擬制キロ(換算キロ)」に置き換え、その数値で運賃計算を行う考え方が入ります。
(例:徳島〜阿波池田など、徳島線内のみ)

3. 幹線と地方交通線をまたがって利用する場合

ここが重要です。幹線の区間は「営業キロ」、地方交通線の区間は「擬制キロ(換算キロ)」をそれぞれ出し、それらを合算したものを「運賃計算キロ」として運賃表に適用します。
(例:高松〜徳島〜阿波池田)

JR四国の運賃計算3パターンを図解
利用する路線が「幹線」か「地方交通線」か、あるいは「またがる」かで計算式が変わります。

なお、運賃制度は全国一律のように見えて、会社・線区・条件によって例外も存在します。JR四国でも、原則の考え方(擬制キロでの調整)に加えて、特定条件下で「特定運賃」などの例外的な扱いが出る場合があります。つまり「だいたいこう理解しておくと外さない」のが上の整理で、さらに正確を期すなら、乗車区間・運賃計算キロ・適用運賃表の確認が必要です。

瀬戸大橋線に適用される加算運賃の根拠(110円の“正体”)

四国の鉄道網において、まさに「生命線」とも言えるのが本四備讃線、通称「瀬戸大橋線」です。岡山県の児島駅から香川県の宇多津駅までを結ぶこの路線は、営業キロにして18.1km。ここには他の路線にはない特別な運賃ルールが存在します。

瀬戸大橋線の加算運賃110円の理由イラスト

それは、基準となる運賃とは別に「加算運賃」が一律で上乗せされるというものです。現在、児島〜宇多津間を含む乗車券には、110円の加算が適用されます。

なぜこの追加料金が必要なのでしょうか?理由は、瀬戸大橋という巨大インフラの維持管理等に関わるコストが通常の地上線より重いこと、そして本州四国連絡橋(道路・鉄道併用橋)という特殊な構造に起因する費用負担の存在です。JR四国は、橋梁区間の利用に関して関係会社への支払いを含むコスト構造を持っており、これを運賃面で一部織り込む考え方が「加算運賃」です。

加算運賃は、1996年1月の運賃改定時に(当初100円として)設定され、その後、2019年10月の改定(消費税率改定期)を経て現在は110円となっています。短い区間でも「意外と高い」と感じることがあるのは、この加算が乗るためです。とはいえ、四国と本州を鉄道でつなぐ要衝を維持するための、現実的なコスト配分の結果でもあります。

予讃線などの主要な幹線と営業キロの一覧

それでは、JR四国の骨格を形成する主要な幹線について、営業キロとその特徴を見ていきましょう。予讃線はルートが複雑で、営業キロの理解でも注意が必要な区間があります。

路線名区間営業キロ特徴・ポイント
予讃線高松 ~ 宇和島297.6km四国最長の路線。瀬戸内海沿岸の主要都市を結ぶ大動脈。高松〜松山は電化、松山以西は非電化区間を含みます。
土讃線多度津 ~ 窪川198.7km四国山地を縦断して高知へ抜ける山岳路線。トンネル・橋梁が多く、維持管理コストも重くなりやすい線形です。
高徳線高松 ~ 徳島74.5km香川・徳島の県庁所在地を結ぶ主要ルート。非電化ながら高速運転区間を持ち、特急「うずしお」等が走ります。
本四備讃線児島 ~ 宇多津18.1km瀬戸大橋区間。複線・電化。四国と本州を鉄道で結ぶ“ゲート”で、運賃には加算が付く特殊区間です。

予讃線の「海回り」と「山回り」の罠

予讃線の向井原駅〜伊予大洲駅間には、二つのルートが存在します。
一つは、伊予灘の美しい海岸線を走る「愛ある伊予灘線(旧線)」。
もう一つは、山側をトンネルで貫く「内子経由(新線)」です。

予讃線の海回りと山回り(内子経由)のルート図
特急列車は短距離の「内子経由(山回り)」を走りますが、ここには地方交通線の内子線が含まれています。

特急列車は距離が短く線形の良い「内子経由」を走りますが、ここで注意が必要です。この短絡ルートには歴史的経緯から「内子線」という地方交通線(新谷〜内子間 5.3km)が組み込まれています。そのため、特急列車に乗っているだけでも、計算上は「幹線の営業キロ」と「地方交通線の擬制キロ(換算キロ)」が混在しうる構造になっています。利用者は意識する必要はありませんが、制度の裏側では“線区の性格”が運賃計算の論理に影響することがある、という好例です。

徳島線や予土線などの地方交通線の特徴

続いて、旅情が楽しめる地方交通線です。これらの路線は擬制キロ(換算キロ)の考え方が関わる対象になりやすく、それぞれにユニークな愛称や特徴があります。

路線名区間営業キロ愛称・備考
徳島線佃 ~ 佐古67.5kmよしの川ブルーライン
吉野川北岸を長く並走。特急「剣山」も走り、地方交通線の中では比較的幹線的な役割を担う区間があります。
牟岐線徳島 ~ 阿波海南77.8km阿波室戸シーサイドライン
徳島県南部の海岸線を走行。阿波海南以南は運行体系が変化し、鉄道と道路の両方を走るDMV(デュアル・モード・ビークル)で注目を集めました。結果として、JRの営業キロ表記上も区間が整理されています。
予土線若井 ~ 北宇和島76.3kmしまんとグリーンライン
四万十川流域を走る観光資源の宝庫。蛇行に沿う線形のため直線距離より長くなりやすく、設備維持の観点では“長さ”が負担要因にもなり得ます。
鳴門線池谷 ~ 鳴門8.5km短距離ながら観光・地域輸送の導線。鳴門海峡方面へのアクセスとして機能します。

JR四国の営業キロから算出する収支データと経営実態

ここまでは「利用する側」の視点で営業キロを見てきましたが、ここからは「経営する側」の視点に立ってみましょう。鉄道会社にとって営業キロは、単なる距離ではなく「維持管理しなければならない資産の量」を意味します。ここでは、JR四国が公表している2023年度(令和5年度相当)の線区別収支資料をもとに、読み解き方と実態を整理します。

最新の線区別収支と営業係数の分析結果(“直接費”と“共通費込み”の2段構え)

鉄道路線の収益性を測る指標としてよく使われるのが「営業係数」です。これは「100円の営業収益(売上)を得るために、どれだけの営業費用(コスト)がかかったか」を示します。

営業係数における直接費と共通費の違いを示す天秤のイラスト
「直接費」だけで見ると悪くない路線でも、全社コストを含めた「共通費込み」で見ると赤字になるケースがあります。
  • 営業係数が100未満:黒字(収益>費用)
  • 営業係数が100超過:赤字(費用>収益)

ここで重要なのが、JR四国の線区別資料では、営業費用の集計の仕方として「直接費」「共通費を含む(共通費込み)」の2種類が示される点です。

  • 直接費:線区に直接ひもづく費用(保守・駅・運行など)を中心に集計
  • 共通費込み:本社・全社共通の費用等も按分して含めた、より“会社全体の負担感”に近い集計

つまり、「直接費では良く見えるが、共通費込みでは厳しい」ということが起こり得ます。逆にいえば、線区別の数字は“どちらの係数を見ているか”を揃えないと誤解が生まれるのです。

本四備讃線と予土線の収支構造比較チャート
線区(代表例)営業係数(直接費)営業係数(共通費込み)損益の読み方(要点)
本四備讃線(児島~宇多津)63100直接費ベースでは非常に優秀。共通費込みでは概ねトントン(資料上はわずかに営業利益が出る水準)。
予讃線(高松~多度津)(資料に複数区間があるため要確認)(同上)都市部は利用がある一方、駅運営・設備・列車本数など費用側が重くなりやすい。
高徳線(高松~徳島)(資料に基づき確認推奨)(同上)都市間輸送として健闘するが、バス等との競合・費用構造で厳しさが残る。
土讃線(須崎~窪川など閑散区間)(資料に基づき確認推奨)(同上)山間・閑散区間は輸送密度が落ちやすく、係数が急激に悪化しやすい。
予土線(北宇和島~若井)3341,137直接費でも厳しく、共通費込みでは深刻。固定費を少人数で負担する構造が直撃。

(出典:JR四国 公表資料「線区別収支」等。数値は2023年度の公表値に基づく)

注意:
営業係数の比較をするときは、「直接費」同士、または「共通費込み」同士で揃えて見ましょう。混ぜると路線の評価がブレます。

輸送密度の変化が経営に与える深刻な影響

なぜこれほどまでに営業係数に差が出るのでしょうか。最大の要因は「輸送密度(平均通過人員)」の違いです。輸送密度とは、1日1kmあたりの区間を平均何人が通過したかを示す指標で、路線の利用状況を端的に表します。

高松近郊の予讃線や瀬戸大橋線では、輸送密度が高い区間が存在します。利用者が多ければ、線路や駅の維持費を多くの利用者で薄く広く負担できます。しかし地方交通線に入ると状況は一変します。例えば、利用が少ない区間では、輸送密度が数百人規模に落ちることもあります。

同じ「1kmの線路」を維持するためには、定期的な見回り、枕木の交換、草刈り、トンネルの検査など、利用者が多くても少なくても一定のコスト(固定費)がかかります。1万人で支えるのと、数百人で支えるのとでは、一人当たりの負担額が桁違いになります。地方交通線における擬制キロ(換算キロ)による距離調整は、この構造的なコスト高を運賃計算の側で部分的に織り込む仕組みとも言えますが、利用者減が進む局面では、それだけで埋め合わせるのは難しいのが現実です。

瀬戸大橋線(本四備讃線)が“強い”理由:短区間への需要集中+加算運賃

線区別資料でも際立つのが、本四備讃線(瀬戸大橋線)です。なぜこの路線は相対的に良い数字が出やすいのでしょうか。

大きな理由は、いわば「入口が集約される構造」にあります。本州から四国へ鉄道で入る場合、多くの流動がこのルートに集まります。高松方面も、松山方面も、高知方面も、鉄道での広域移動ではこの区間が“喉元”になりやすい。短い区間に需要が濃縮されることで、設備維持の効率が上がり、数字が良く出やすいのです。

加えて、先述の「加算運賃」の存在も収益面で効いてきます。通常の運賃に一定額が上乗せされることで、短距離でも客単価が底上げされやすくなります。もちろん、それでも共通費込みでは“劇的に黒字”というより、まずはトントン圏を狙える線区、という見え方が現実に近いでしょう。

地方交通線の維持コストと営業キロの相関

一方で、予土線や牟岐線といった地方交通線は、その「長さ」自体が経営上のリスク要因となり得ます。予土線は76.3kmありますが、これは四万十川の流域や地形条件に沿って建設された線形の結果でもあります。旅としては魅力的でも、経営視点で見ると、長いレール・橋梁・斜面・トンネルなどを維持し続けなければならないことを意味します。

営業キロの長さが経営リスクになる構造の解説
長い営業キロは、それだけ多くのトンネルや橋梁を維持しなければならない「固定費の重み」を意味します。

鉄道事業は装置産業であり、営業キロが長ければ長いほど、保有しなければならない固定資産(線路、トンネル、橋など)が増えます。特に四国山地を貫く路線は、豪雨災害・地滑り・落石などのリスクとも隣り合わせです。一度災害が起きれば、復旧に大きな費用がかかることも珍しくありません。利用者が減り収入が細る中で、広大なエリアに広がる「営業キロ」というインフラをどう維持していくか。これはJR四国のみならず、日本の地域交通全体が直面している重い課題です。

途中下車のルールと営業キロの適用条件

少し重い話が続きましたが、最後に営業キロを活用した「旅のテクニック」をご紹介しましょう。JRの普通乗車券には、長距離移動をする旅行者に嬉しい「途中下車」という制度があります。

営業キロ100km超の途中下車ルール解説と切符の例

一般に、「片道の営業キロが100kmを超える普通乗車券」を持っている場合、後戻りしない(同じ区間を往復しない)範囲で、途中下車が可能になります。さらに、乗車券の有効期間も距離に応じて伸びるため、寄り道旅と相性が良い仕組みです。

ただし、都市部には「大都市近郊区間」という例外ルールが設定されている場合があり、その範囲内では途中下車の扱いが制限されます。四国の旅では、こうした例外の影響を受けにくいケースが多く、比較的“途中下車向き”の旅程を組みやすいのも魅力です(※最終的には、購入する乗車券の券面表示・適用ルールで確認してください)。

例えば、高松から高知へ向かう場合、営業キロは100kmを優に超えます。特急停車駅の「琴平」で降りてこんぴらさんにお参りしたり、「大歩危」で降りて遊覧船に乗ったりと、一枚の切符で寄り道しながら旅を楽しむことができます。営業キロを意識して100km超のルートを組むことは、四国をより深く味わうための第一歩です。

旅のヒント
・営業キロ100km超の普通乗車券は途中下車の余地が広がる
・有効期間も伸びるため、のんびり旅程と相性が良い
・特急券(料金券)は原則として途中下車の概念がないので注意(基本は乗車券側のルール)

四国をお得に旅するなら
営業キロを気にせず、自由に乗り降りしたい方には、JR四国が発売しているフリーきっぷがおすすめです。特に「四国フリーきっぷ」や「バースデイきっぷ」を使えば、特急列車も乗り放題になり、複雑な運賃計算から解放されます。ぜひチェックしてみてください。

記事のまとめとJR四国の営業キロに関する総括

今回は「JR四国 営業キロ」をテーマに、運賃計算の裏側から、その数字が語る経営の実態までを詳しく解説してきました。最後に、要点を振り返ります。

まず、私たちが普段目にする営業キロは、物理的な実キロとは異なる「運賃計算のためのモノサシ」であること。そして、四国の鉄道網は明確に「幹線」と「地方交通線」に性格分けされ、地方交通線では擬制キロ(換算キロ)という考え方が運賃計算に関わってくること。これらは、地方路線を抱える現実の中で、制度として積み重ねられてきた仕組みです。

また、公表資料の線区別収支を見ると、瀬戸大橋線(本四備讃線)が相対的に良い数字を出しやすい一方、地方交通線では固定費負担の重さが営業係数に強く表れることがわかります。なお、営業係数は「直接費」か「共通費込み」かで見え方が変わるため、比較するときは同じ土俵で揃えるのが鉄則です。

次に四国を列車で旅するとき、ふと窓の外を流れるキロポスト(距離標)を見かけたら、この記事のことを思い出してみてください。「この1キロを維持するために、どんな工夫や苦労があるんだろう?」そんな視点を持つことで、いつもの鉄道旅が、より深く、味わい深いものになるはずです。それでは、良い旅を!

※本記事の情報は、路線の営業キロや線区別収支など、執筆時点で公表されている資料(主に2023年度公表値)に基づいています。最新の運賃・制度・ダイヤ・運行状況は、必ずJR四国の公式発表をご確認ください。

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